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熊本 白川水害から71年 犠牲者を悼む慰霊祭


6月26日 慰霊祭の様子

J:COM安心安全チーム、熊本担当の山口です。
6月26日、熊本市中央区で“白川大水害”を追悼する慰霊祭が行われました。

“白川大水害”は、1953年(昭和28年)に発生した大災害です。
停滞していた梅雨前線に高温多湿の気流が流れ込み、熊本地方は未曾有の豪雨となりました。
熊本市の中心部を流れる白川は、瞬く間に増水し大洪水となって沿川一帯が氾濫しました。白川に架かる橋は、ほとんどが流失。

熊本市を中心に死者・行方不明者は、422人に上りました。

その“白川大水害”から71年…
この日行われた慰霊祭には、地域住民や遺族などおよそ20人が参列。
焼香したのち、白川に向かって手を合わせ、犠牲者を悼みました。

参列者の1人で、この水害の被災者でもある田尻さんに、お話をお聞きしました。

71年前の白川大水害で被災した 田尻康博さん(大江校区第4町内自治会長)

Q. 慰霊祭を終えていかがですか?
田尻さん:当時を思い出します。毎年気持ちは同じで、熊本で大きな水害があったことを思い出して欲しい、そして、多くの市民や特に若い方に知って欲しいと思います。

Q .この慰霊祭の数日前にも熊本市内に大雨による“高齢者等避難”が発令されました。改めて、災害について伝えたいことはありますか?
田尻さん:地震などと違って、台風や水害は予測できる災害です。
最新の情報を入手して、できるだけ明るいうちに避難して欲しいです。
また予測できる災害は、避難所に限らず、前日からホテルや親戚の家に避難するなどの行動も選択肢に入れて欲しいです。
そして、少しでも被害に遭わない様に行動して欲しいと思います!

田尻さんのお話は、実体験を経ているので説得力がありました。
実は、この71年前の大雨は、熊本だけではなく、福岡県などにも被害が及び、九州地方で戦後最悪となる 「 水害 」 を引き起こしました。

これは、のちに 「昭和 28 年 西日本水害」 と呼ばれ 、水害による死者・行方不明者は、およそ 1,000人に上りました。

J:COMでは、西日本水害の記憶と記録をもとに 、河川の氾濫、土砂災害、都市部の水害、という3つの事象から「水害 」に対する私たちの「 防災 」を考える特別番組を制作しました。
先ほど、インタビューさせて頂いた田尻さんにもご出演頂き、71年前の被災経験ついてお話頂いています。
本編は、下記のYouTubeで視聴可能です。是非、ご覧ください。

【番組】昭和28年西日本水害 ~記憶と記録 、そして教訓~(地域発 未来へつむぐ安心安全)(2024年6月1日放送)

取材協力:大江校区第3・4町内自主防災クラブ