見出し画像

地震・津波情報30年でどう変わった?

J:COM安心安全チーム、関西担当の中西です。
緊急地震速報や津波警報などの情報は、年々精度が上がっていることをご存じでしょうか?2025年1月21日(火)「阪神・淡路大震災から30年の歩み」と題して、この30年の気象庁の取り組みを紹介する講演会が開かれました。

最大震度5?地震直後の発表

直後には「最大震度5 豊岡、彦根、京都」と発表された

1995年1月17日5時46分、平成7年兵庫県南部地震が発生。9分後の5時55分に大阪管区気象台が発表した各地の震度情報に「神戸」の文字はありませんでした。地震発生の27分後の3回目の発表で、ようやく神戸が震度6と表記されますが、のちの現地調査で神戸市南部や芦屋市、西宮市などの広い範囲で震度7の地域があったことが判明しています。

1995年(左)と2018年(右)の震度分布比較

30年でここまで可能に

あれから30年。震度の発表精度は大きく向上しています。各地域の震度は「震度観測点」での測定結果が反映されますが、1994年時点での観測点の数は302か所2024年時点では約4,300か所に増え、自治体などが整備した地震計データなども取り入れてきめ細かい震度情報が出せるようになっており、令和6年1月1日の能登半島地震では地震発生4分後に石川県能登で震度7が観測されたと発表しています。

現在、津波の情報は地震発生から約3分で発表されるとのこと。マグニチュード8を超える巨大地震が発生し即座に規模が分からない時には 津波の高さを「巨大」「高い」と発表するそうで、この場合は2011年の東日本大震災の時のような津波がくると思って直ちに避難してほしいということです。

ことし1月13日にも南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された

講演会では30年以内に80%程度の確率で発生するといわれている南海トラフ地震についても言及していました。過去の例では 東側で地震が起きたあとに西側でも起きる「半割れ」という揺れ方があったとのことで、その間隔は1854年で約32時間1944年で約2年だったそうです。2016年の熊本地震のように あとから本震がくるといったケースもあり、地震の予測は困難を極めます。いま私たちにできることは、やはり日頃からの備えということですね。

気象庁の防災情報が見られるサイト

地震・津波の情報は気象庁のウェブサイトから見ることができます。比較的小さい地震の情報なども掲載されていますので、参考までにご覧ください。


取材協力:国土交通省 近畿地方整備局、気象庁 大阪管区気象台ほか