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関東大震災 相模原 おばあさんが残した山津波の記憶

第50回 日本ケーブルテレビ大賞 番組アワード
コンペティション部門 奨励賞 受賞作品

関東大震災で山津波(土石流)が発生

相模原市の地震峠では、山の斜面が崩落する土石流が発生。
幼い子どもを含めた16人が命を奪われました。

直径1尺以上もある大杉が立ったまま、地ごと走ってくるのを見た
恐ろしかったことは忘れません

この土石流による被害を逃れた、数少ない生存者である新井エツさんは数ページにわたる手記を書き残していました。手記には、当時15歳だったエツさんが見た光景が、詳細に記されています。

手記を書き残した新井 エツさん

前日から台風による大雨

”8月末ごろ毎日むし熱く、雨が降ったりやんだりの日が幾日か続き、8月31日の晩より9月1日の10時まで大雨が降った”

地盤防災工学・地震地盤工学を専門とする関東学院大学の 規矩大義教授 によると、関東大震災の前日から当日にかけて台風がもたらした大雨により、土石流が発生したと考えられると言います。

関東学院大学 規矩 大義 教授

おばあさんが残した手記を未来へ継承

おばあさんが残した手記の内容を後世に伝え続けようと立ち上がった人々がいます。
関東大震災で親族を亡くした遺族と、この地区の振興協議会の会長をしている秋本敏明さんらで立ち上げた『自然災害伝承碑「地震峠」を守る会』です。

地震峠で犠牲者を追悼する遺族

山津波の被害を正確に語りつがなければならない。
その手段として、「地震峠」を守る会が選んだのが、幅広い世代に親しまれている「漫画」でした。

津久井高等学校の漫画研究部が作成

「おばあさんの同じ悲劇を繰り返して欲しくない」という想いは、漫画を描いた学生たちや若い世代へ受け継がれていきます。

取材協力:自然災害伝承碑「地震峠」を守る会・関東学院大学・津久井高等学校 漫画研究部


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