がけ地が点在するまち 一人一人の避難計画
山間の集落が抱える課題
札幌市中央区の盤渓地区。
この地区は山間に位置する自然豊かな地域です。
しかしそこには、山間部だからこそ懸念される防災上の課題がありました。
土砂災害が起きたらどこに逃げる?
盤渓地区で最も警戒すべきは、地震や大雨による土砂災害です。
地区内には土砂災害警戒区域に指定されている箇所が点在しています。
地域で唯一の指定避難所になっている盤渓小学校。
実はここも土砂災害警戒区域内にあるため、避難情報が発令された場合は避難所として開設することはできません。
独自の避難計画づくり
そこで住民たちは自ら避難計画を練り始めました。
盤渓地区は、それぞれの集落が離れて位置していることから、面する道路ごとに細かく避難時の行動を定め、一時避難所を新たに選定しました。
周辺施設との協力
一時避難所にはスキー場やサッカー練習場、ラベンダー園といった民間の施設も含まれます。
盤渓地区ではこういった周辺の施設や行政とワークショップを重ね、互いに協力しながら避難計画をまとめあげたのです。
安全を次の世代へ
避難地図には危険が想定される箇所が、過去の経験を基にして細かく記載されています。
上盤渓町内会の前会長である久保田さんは、若い世代に自分たちの経験を引き継いでいくこと、計画だけのもので終わらせないようにすることが今後の課題と語ります。