ボランティア活動に励む学生の今を調査!第一弾
J:COM安心安全チーム、千葉担当の小矢島です。
近年、全国各地で災害が発生しています。
そしてそこには早期の復興を願い、ボランティア活動に励む方々がいます。
また、ボランティア活動は災害現場だけに限らず、地域活性化を目指した活動や、自然を本来ある姿に戻す保全活動など多岐にわたります。
現在、ボランティア活動に励んでいる大学生3人を取材してきました。
全3回のシリーズで紹介します。
学生がボランティア活動を支える
取材したのは、NPO法人国際ボランティア学生協会「IVUSA」に所属する学生です。
IVUSAは国士舘大学で社会貢献活動などを行う企画に参加した学生たちから「もっと活動を続けたい!広げたい」という声が上がり組織化されました。
現在では、全国で約80の大学・2,600人の学生が所属。
「国際協力」「環境保護」「地域活性化」「災害救援」「子どもの教育支援」の5つの分野を軸に活動しています。
大学生活での部活動
今回紹介するのは国士舘大学3年生の白川弥幸さん。
IVUSAには大学1年生から所属しています。
大学のクラブに「国際ボランティア部」があり、入会すると「IVUSA」の所属になるといいます。
白川さんは大学で何のクラブに入ろうか悩んでいましたが、中学生の頃に少し経験があったボランティア活動に興味があり、友達と一緒に入会。
入会後初めてのボランティア活動では、使用しなくなった畑を再生する、西伊豆町の地域活性化の事業に参加しました。
地域とつながる楽しさが生きがいに
以前耕作に使われていた土地を生き返らせるプロジェクト。
草などが伸び切った土地を仲間と力を合わせて、再び食物を育てられる場所に変えていきます。
思った以上に大変だったけど「楽しかった」という白川さん。
その理由は「地域の人たちとつながる楽しさ」を肌で感じたからだそうです。
白川さんは、現在も別の活動ではありますが、西伊豆町へ足を運んでいます。西伊豆の方たちはとにかく明るく、何をするにも賑やかで、自然とみんなが笑顔になるような環境だそうです。
こういう方たちに出会い、交流を重ねることで新たな感情や考えがうまれ、それを「楽しい」と感じていると笑顔で話します。
能登半島地震の災害救援にも参加
IVUSAでは、能登半島地震の災害救援活動もしています。
白川さんも何度か現地へ足を運んでいます。
作業は家屋の被害があった場所の瓦礫等の清掃作業。時には家の中にある家財を整理するお手伝いもしています。
そこで、残す物、捨てる物、どちらにするか持ち主の方に確認することがあるそう。すると…
持ち主の方「捨ててしまって大丈夫」。
こう答えることがあるそうです。
その時、白川さんは「捨てるのはいつでもできることだからとりあえず、残しておきませんか?」と確認するようにしています。
被災すると、本当に必要なのか判断ができず、すべて捨ててしまおうと思う方もいるそうです。
ですが、やはり物として思い出を残しておくことも重要。
そう感じる白川さんは皆さんに確認するようにしているといいます。
学生ボランティアがいなくなっても完結する環境
白川さんは、学生がボランティア活動を行った後、いなくなっても町の人たちでその状況を保てるようにすることが重要と話します。
以前石垣島で行った海岸のクリーン活動には、地元の人にも参加してもらい、学生がボランティア活動を終えて帰った後も活動が続くような環境を皆で作ったそうです。
海岸を毎年綺麗にしてもゴミが無くなることはなく、誰かが活動を続けないとゴミは増えていく一方といいます。
そのため、学生だけではなく地域の方たちにも現状を知ってもらい、その活動を続けてもらうサイクルを維持することが大切だといいます。
IVUSAの活動を体験して
現在、大学で建築について勉強している白川さん。
災害ボランティア活動を通して、被災しないためにはどのような建築設計にすれば、丈夫な家屋を建てられるかに興味を持ったといいます。
災害に強い家があれば、災害が起きても皆さんが安心して生活できる理由の1つになる、そう思っているそうです。
今年は、千葉県の九十九里浜を清掃するプロジェクトの役員にもなり、広報担当として様々な場所へPRする活動にも挑戦しています。
常に新たなことに挑戦し、仲間・地域との絆を深めていく白川さん。
今後の活動にも注目していきたいと思います。
取材協力:NPO法人国際ボランティア学生協会「IVUSA」