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溺れた人を助けるには知識が必要です!

J:COM安心安全チーム、関西担当の中西です。

毎年、夏になると必ず 水難事故のニュースを見聞きします。
実際 国内で1年間に600人ほどの水難者が出ており、200人以上が亡くなっているそうです。
『溺れた子どもを助けようとしたお父さん』など救助活動によって命を落とすケースも珍しくありません。
今回、日本赤十字社の「水上安全法」を学べる講習会を取材しました。

様々な救命具

まずは地上からの救助を考える

溺れている人を発見した時、泳いで助けに行くのは最終手段です。
まずは地上から助けられる方法が無いか探しましょう。
救命用の浮き輪や長い棒、地上から自分の足や手を差し出す場合は、水に引き込まれないように姿勢を低くして救助します。

地上から、水中に引き込まれにくい姿勢で救助する

溺者から身を守る方法を知る

溺れている人は、息をするために必死で掴みかかってきます。
だからこそ、救助者は溺れた人から身を守る知識を備えている必要があります。例えば 後ろから羽交い絞めにされた時は、一度自分が沈んで相手の腕をゆるめて外し、後ろに回り込む。
まさにこういった護身術のような技を身に付けていないと最悪の場合 自分自身が命を落とすことになります。

溺者からの防御を学ぶ受講生たち

1分動画で紹介「溺者からの防御」


溺者を安全に運ぶ技 その名は”チンプル”

溺れた人の背後に回ったら「チンプル」で救出します。
「chin(顎)pull(引っ張る)」とは、溺れた人の背後から肩越しに片方の手を伸ばしてあごを手のひらで支える方法です。
「チンプル」という可愛い名前とは裏腹に、溺れた人の気道を確保して呼吸や脈の観察をしつつ水中搬送ができる、救助に欠かせない手段です。

”チンプル”で溺者を運ぶ受講生たち

溺れる人を出さない工夫が最良

当たり前ですが、溺れないことが一番良いことです。
例えばプールであれば、排水溝の位置や深さなどを事前に確認しておくだけでも、安全な遊泳ができる可能性が高まります。

講習会は4日間の日程で、立ち泳ぎや潜水などの基本的な泳法から、溺れた人からの防御、そして様々な救助の方法を総合的に学ぶことができます。
助ける人にも命の危険がおよぶ水難救助。「知識があれば救えた命」とならないために、講習会にご参加されてはいかがでしょうか。詳細情報はこちらからご覧ください。

頸椎を損傷した溺者の救出を学ぶ受講生たち


取材協力:日本赤十字社 大阪府支部