小学校からひっぱりだこ!音楽で「火の用心」とは?
J:COM安心安全チーム、関西担当の山田です!
みなさんは消防音楽隊ってご存じですか?
音楽隊は想像ができても、消防がどう結びつくの?って思う人もいるのではないでしょうか!?
今回私は、和歌山市の消防音楽隊の活動を覗いてきました。
和歌山市消防音楽隊
和歌山市消防音楽隊は、消防職員10名、消防団員34名による44名(2024年現在)で編成され、市内各地で行われる様々な消防行事などで「音楽」を通して「火の用心」を呼びかけているんです。
実は職員だけでなく、地域の人も参加しているのが特徴。
普段、消防職員の隊員たちは火災や救急出動などの消防の仕事をしていますが、消防団員の隊員は家事、育児、学業など、それぞれの仕事をしています。
年々、消防団は人口減少、少子高齢化などの影響で人手不足が問題となっています。そんな中、消防団のお堅い・難しいイメージを払拭し、親しみをもってもらうためにこの音楽隊が活躍しているんです!
彼らはイベントだけでなく、地域の小学校にも訪問。
防火の大切さを伝える「みんなのコンサート」を定期的に開いています(このコンサートは大人気で、音楽隊は各小学校から引っ張りだこのよう!)。
この日は、和歌山市立和佐小学校で「みんなのコンサート」が行われました。体育館に集まり、何が始まるのかとざわざわしていた子どもたちが音楽隊の演奏が始まると、一気に釘付けに!
ここに「音楽」を使うヒントがあるみたいです。
単に防火活動をしても、なかなか興味を持ってもらえないけれど「音楽」を演奏することで、子どもたちに親近感を持ってもらいやすくなったり、消防団の話を集中して聞いてもらいやすくなるといいます。
コンサートでは、アニメの楽曲など子どもたちに人気の楽曲が演奏されました。子どもたちも演奏に合わせ、手拍子をしながら歌いコンサートを楽しんでいましたよ!
消防の仕事はどんなことをしているの?
人の命を守る消防の仕事はどんなことをしているのかを知ってもらうために現役レスキュー隊の訓練を一部紹介。
レスキュー隊がはしごなどを使って駆け上がるなど、迫力ある動きに子どもたちも大興奮!目の前で見ることで、より臨場感が伝わってきました!
コンセント×埃は火事のもと!
さらに寸劇は、コンセントの周りに埃が溜まると発生する「電気が原因となる火事」をテーマに行われました(日頃からゲームをする子どもたちは、特にリアリティをもって火事のリスクを感じていました!)。
劇中では火を消す消防隊として、学校の先生も参加!
この登場に子どもたちは大きな歓声を上げました!
火事が起きた時は①姿勢を低くすること、②ハンカチを使い煙を吸わないようにしながらその場所から避難するということも学びました!
消防団のイメージUP&楽しみながら防火の大切さを
和佐小学校の子どもたちに感想を聞いたところ「最初は怖いイメージを持っていた消防団だけど、ノリがよくて楽しい印象に変わりました」「寸劇では火事の恐ろしさを分かりやすく知ることができてよかった」など消防団のイメージが変わり、楽しみながら防火の大切さを学べたようです。
子どもたちの反応が励みになる!
「得意な音楽(楽器)を活かして地域に貢献したい」と音楽隊の活動を始めた川口千穂さんにもいくつか質問してきました。
Q. 消防音楽隊たちは参加する前と後での意識の変化などありますか?
A. 自分たちが防火意識を高めるための広報活動を担っているということもあり、防火・防災の知識も増え、意識も高まりました。
Q. 消防音楽隊の活動のやりがいは何ですか?
A. 小学校などの「みんなのコンサート」ではすごく近い距離で演奏することができるので、ダイレクトに子どもたちの反応が返ってくると励みになり、やりがいを感じます。
Q. 消防音楽隊の活動の効果を感じることはありますか?
A. 「みんなのコンサート」での寸劇の内容を今でも覚えているという小学校の卒業生がいて、とても嬉しかったです。そんなふうに大人だけでなく、子どもたちにもどんどん防火・防災の知識や意識が地道に根付いてくれることを願っています。
Q. これから消防音楽隊はどうなってほしいと思いますか?
A. 自分たちの地域を自分たちで守るということはとてもやりがいがあることなので、ぜひ地域の皆さんにも参加してほしいです。
最後の演奏が終わり、消防音楽隊たちが帰ろうとするときも子どもたちが別れを惜しむように彼らからなかなか離れようとしない様子も…。
消防音楽隊はこれからもきっと、地域の子どもたちに愛され続ける存在であるのだろうと思いました。
取材協力:和歌山市消防局、和歌山市立和佐小学校