太陽光発電設備で地域の電力活用に!
こんにちは。安心安全チーム 、千葉担当の小矢島です。
8月に入り、台風シーズンの到来ですが、皆さんは何か対策をされていますか?令和元年の房総半島台風は、千葉県内の各地で大きな被害をもたらしました。
ですが、この台風をひとつの「気づき」とし、地域のために新たな対策を始めた企業があります!今回はその取り組みを紹介します。
「つなぐファーム」の挑戦!
つなぐファームは千葉市緑区で畑を営み、「農地・ひと・地域を次の世代につなぐ」をコンセプトにする農業法人です。
畑で「太陽光発電」と「農業」を同時に行う新しい農業の形に取り組んでいます。
太陽光パネルの下では、気温が2~3度下がるほか、厳しい直射日光を遮ることができるので、年間を通し、どの種類の野菜がどのぐらい成長するかを調べながら育てています。
太陽光発電によって発電した電気は電力会社に、畑で収穫した野菜は地元のスーパーマーケットなどで販売しています。
畑作業には市内の就労継続支援に通う人たちに手伝ってもらったり、育てた野菜の収穫時には参加者を募り収穫イベントを行ったりと、地域とのつながりも大切にしています。
農業を通して様々なことにチャレンジしているんですね!
令和元年の房総半島台風を経験して
房総半島台風で、畑のある千葉市緑区大木戸町周辺では、倒木などが電線にかかるなどの被害が発生し、1週間以上の停電状態が続きました。
その時、畑に太陽光発電設備を設置していたものの、地域の方に電力を届ける手段がなく悔しい思いをしたといいます。
この太陽光発電設備で発電された電気は電力会社への販売専用の電力のため、所有者が取り出せない設計となっています。
そこで考えたのが、自分たちで電力を使用できるようにする、完全自家消費型の太陽光発電設備の導入です。
自分たちで電力を使うことができる自家消費型にすることで、充電式バッテリーが使用できる製品を揃えれば、充電して災害時に地域の方たちを支援することもできます。
資金調達に向けて
新たな太陽光発電設備を設置するために、まず必要となるのが資金調達。
そこで、つなぐファームではクラウドファンディングに挑戦しました。
地域とのつながり、台風の被害状況、その時に何もできなかった想い…。
すべての経緯を記載し募集を行ったところ、なんと目標金額を超える形で無事達成することができたといいます。
町内会と災害協定を締結
自分たちで電力を使用できる太陽光発電設備を設置してからは、充電式の電動農機具や電気自動車を導入しました。
また、災害時等にはポータブル蓄電池を積んで、住民が電気を利用できるようにする計画をしているそうです。
また、充電式バッテリーのワークライトやラジオも準備し、災害時には地域へ貸し出しができるよう、千葉市緑区大木戸町の大野町内会と防災協定を締結しました。
今後は、災害時に地域の充電スポットとなるような、地域全体を支えられる環境にすることも目指しているといいます。
楽しいから防災意識を高める
防災意識は平時のときから蓄えておくことが重要。
こうしたことを啓発するため「住民参加型の農業 x 防災 x エネルギー」を掛け合わせたイベント、サツマイモの収穫体験を行いました。
体験後に、元消防士による防災学習を実施し、子どもから大人までが楽しく学べる場を作ったりしています。
「食」という体験の中に「防災」を組み込むことは、子どもたちの意識の中に印象付けることができますね。
つなぐファームの今後の取り組みにも注目です。
取材協力:株式会社つなぐファーム