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みんなで助かるために!県立茅ケ崎支援学校「車中泊体験キャンプ」

J:COM安心安全チーム 神奈川担当の林です。
障がいを持つ方たちは、どう避難する!?
そんな課題の解決を目指し、家庭ごとに挑戦して「自助力」を確かめる、車中泊体験キャンプが、県立茅ケ崎支援学校で開催されました!

車中泊&体育館の宿泊で避難所を模擬体験!

保護者の要望で開催し、今年で3回目となる「車中泊体験キャンプ」。
今年は、茅ヶ崎市内だけでなく川崎市や横浜市から65名の親子が参加し、避難を想定した1泊2日の避難体験を行いました。
ここ、茅ケ崎支援学校は、茅ヶ崎市・寒川町と協定を結び、災害時福祉避難所として、障がいのある方の避難を受け入れます。

普段スクールバスが停車しているバスターミナルを利用して車中泊を体験!
夕食の風景。当事者同士のネットワークづくりの場にもなっている

避難には、どれくらいの荷物が必要??
障がいのある方の避難は、防災リュックひとつでOKというわけにはいきません。例えば、脳性麻痺により、医療的ケアが必要な、そらさん(14歳)の場合…たんの吸引機、酸素ボンベ、医療用品などを含めると、下の写真くらいの荷物を持って移動しなければなりません。
車いすを押しながら、これだけの荷物を避難所まで運ぶのには、一人では難しいですよね。

「荷物を準備するだけでも半日かかった」と、お母さん。

薬は2週間分多く準備!
そらさんは、口から食事を摂れないため経管栄養胃ろうで食事をしています。そのため、ペースト状にしたおかゆやおかず(ユニバーサルデザインフード)をシリンジ(針のない注射器)を使って管から直接入れる必要があります。さらに薬も1日5回!こちらも水に溶かしてシリンジで摂取します。

この日の夕食はおかゆ(左)
ユニバーサルデザインフード「チキンのトマトソース煮」(右)これをシリンジで注入します

いざという時に備えて、食事はローリングストックで備蓄。
お薬は2週間分多めにもらっているそうです。しかし、どれか一つでも忘れると医療的ケアができなくなります。
お母さんの美由紀さんは、自身の訓練のためにもと、初回から参加していますが、3回目でも「避難の難しさ」を痛感したそうです。

そらさんは体育館で1泊!

避難は車中泊という選択も!

車中泊の例。親子二人で寝ることができます。

スムーズな避難を実現するために課題はたくさんありますが、その解決策のひとつが「車中泊」。
障がいのある方の中には、いつもとは違う環境になることでパニックになったり、まったく眠れなくなったりすることも多くあるそう。災害時に備えて、自家用車を車中泊できるように準備しておくことも有効な手段です。

今年、茅ケ崎支援学校が作成したパンフレットには、3回の宿泊訓練で得られた「車中泊が初めての方へのアドバイス」が掲載されていたので、ご紹介します!

障がいのある方の避難には、様々な課題があります。
災害時、みんなが助かることを目指して…茅ヶ崎支援学校では「防災共生」をテーマに、今後も地域と連携した様々な取り組みを実施していくということです。

取材協力:茅ケ崎支援学校・かながわ県医療的ケア児 家族会〜つなぐ〜