命の水を運ぶ「魔法のズボン」
J:COM安心安全チーム、千葉県エリアスタッフの伊澤です。
災害発生時、ライフラインのひとつである水道が止まってしまうと、給水所などから水を運搬する必要があります。しかし、これは想像以上に大変な作業となります。
災害時に水の確保は大きな問題です。私達が生きて行くために必要な水を給水所や防災井戸まで受け取りにいかなければなりません。
重い水を容器に入れて、自力で自宅まで運ぶのは大変な労力がかかります。
そこで今回は、近隣の給水所から供給される水を「ある物」を使って、安全で楽に運搬できるアイデアを取り入れた千葉市稲毛区の黒砂公民館避難所運営委員会を取材しました。
水の重さって?
皆さんは、水の重さを考えた事はありますか?
1リットルの水の重さは約1kgです。500mlペットボトルは約500g、2リットルペットボトルなら約2kgとなります。
大量の水が必要になれば非常に重くなります。特に、高齢者や障がいのある人、妊娠している人や子どもにとっては、運搬するのはとても困難なのです。
命の水を運ぶ「魔法のスボン」の誕生
そこで千葉市稲毛区の黒砂公民館避難所運営委員会では、スボンをリュックサックに変身させ、少しでも楽に、また安全に水を運搬しようという取り組みをしています。
水だけではなく配給された食糧、日用品などの災害物資の運搬にも活用でき、かつ物資を担ぐことにより避難行動時も両手がフリーになります。
まさに命を守る魔法のズボンです!!
皆さんも作れる「魔法のズボン」
ではどのようにズボンでリュックサックをつくるのでしょうか?
避難所運営委員会の皆さんに教えていただきました。
今回紹介したズボンをリュックサックに変身させる方法は警視庁のホームページでも紹介されていますので、是非ご覧いただき、いざという時にお役に立ててもらえればと思います。
[警視庁ホームページ] https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/yakudachi/life/tips/1203823952495202304.html]
災害時に水を確保する場所、みなさんはご存知ですか?
災害などで水道が止まり、水を確保する際は「飲料水」として使用できるのか、「生活用水」として使用するものなのかを必ず事前に確認してください。
また災害時は、以下のような水の入手方法があります。
[災害時飲料水] 最寄りの応急給水拠点(給水車含む)で配布される飲料水
[災害・防災井戸の水] 生活用水(トイレ、洗濯、風呂、清掃用等)※飲料用として水質検査に合格している場合を除く
災害等、緊急時に備えて、平時から近隣の供給場所を調べておきましょう。
おわりに・・・
黒砂公民館避難所運営委員会が災害時などに、水の運搬をスムーズにするため取り組んだ、命の水を運ぶ「魔法のズボン」。
取材しながら目の前でズボンがリュックサックに変わっていく様子を見て、日頃のちょっとした気づきとチャレンジが、自分自身や家族を守る防災・減災対策、そして自助・共助につながると強く感じました。
取材協力:黒砂公民館避難所運営委員会