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局地的大雨の体験談を「ジブンゴトに」

J:COM安心安全チーム、千葉・茨城担当の塩見です。
 
夏から秋にかけて多く発生する局地的大雨、通称「ゲリラ豪雨」は、ここ数年増加傾向にあり(※1)、また、国土交通省の資料では、局地的大雨は、台風などによる大雨と違い予測が困難といった特徴があります。※2
 
※1 出典:「最近の気象現象の変化について」5ページ(総務省)
※2 出典:「集中豪雨、局地的な大雨、台風による大雨について
       4ページ(国土交通省)
 
水害は「台風」や「線状降水帯」などによる河川の氾濫など、「予測できる災害」のカテゴリと思いがちですが、局地的大雨、通称「ゲリラ豪雨」は、地震のような「突発的な災害」と認識を改めるべきかもしれません。

しかも、局地的=特定の地域となれば、日ごろからの備えはもちろん、事前に地域の事例を学ぶことが、命や財産を守る行動「自助」につながります。
 
今回は、昨年局所的な大雨「ゲリラ豪雨」による被害を受けた、千葉県・柏市の篠籠田(しこだ)町会の方に伺った体験談をご紹介します。

およそ一年前に発生した事案は、ゲリラ豪雨のみならず、災害への備えをジブンゴトにする貴重な教訓となりました。
 
 

建物被害80件、その他59件、うち道路冠水等29件

千葉県柏市・篠籠田は、JR柏駅の北西部に位置し、北側の市境を沿うように手賀沼へそそぐ一級河川「大堀川」が流れています。
※3 篠籠田地域の地図
 
ここ数年、水害による被害はなかったという篠籠田の町ですが、去年9月20日(水)に発生した局地的大雨が、この地域に大きな爪痕を残しました。
 
 柏市の発表によると、この大雨による被害は、建物被害80件、その他59件、うち道路冠水等29件なっています。降り始めから午後7時30分までの積算雨量が93.0mmに達した激しい大雨で、当時の柏市の記録をみると、降り始めから、わずか3時間の間に発生したとのこと。※4 

人的被害はなかったものの、この日発生した、道路陥没による車両通行止めなどの被害の多くが、篠籠田の町で発生したのです。
 
※4 出典:「令和5年9月20日の大雨に伴う被害状況等(令和6年2月13日12時00分現在)」柏市WEBサイトより


ゲリラ豪雨で初めて体験したこと…

当日の状況を撮影した写真2枚と動画ファイル(音声無し)を掲載。
住民の方が撮影したものです。

溢れだした水(写真上部)と冠水した住宅地と道路 画像提供:篠籠田町会
陥没した道路から動けなくなった車両 画像提供:篠籠田町会

排水量を超えて降る雨がもたらした「水」の怖さが感じられます。
 今回、様々な体験談を町会の防災担当の方に伺いましたが、その中から「水の恐ろしさ」と「事前の備え」について紹介します。
 

■移動できるものは移動できる時に

浸水する前に移動できるものは移動した方がいいという事。
例えば、自転車、自動車やオートバイなど。道路が冠水してしまうと、濁り水で道路の状況が見えず、車両を動かすことが事故や命を落とすことに直結しかねません。
実際に篠籠田では、浸水している道路に車が入っていき、蓋の空いたマンホールにはまって移動できなくなった。という事例が発生しています。
 

■エアコンの室外機対策

浸水被害にあったものの中で、盲点だったのが「エアコンの室外機」でした。浸水で使えなくなってっしまったことはもちろんですが、「室外機が乾いた」と自己判断して電気を入れたことにより、通電による「故障」も発生したそうです。

ここから考えると、熱中症予防策として、エアコンの重要性が高まっている昨今、エアコンがない生活は、新たな2次災害の可能性にもつながるのではないでしょうか?

体験談をジブンゴトに・・・

最近は、線状降水帯や台風などのニュースをよく目にしますが、ジブンゴトになっていないことに気が付きました。
被害にあった方には申し訳ないのですが、お話を伺うことは非常に参考になりますし、それをこうした取材noteで伝えていく事の大切さも改めて感じた次第です。
 
今年は、7月初めからの猛暑、局所的な大雨と続いていますが、これから台風に伴う「線状降水帯」なども予見されます。
 
すべての災害対策を施すことは難しくても、大切な家族やご自分の命を守る最低限の備えを「ジブンゴト」として考える重要性を感じて頂ければ幸いです。
 
 
取材協力:篠籠田町会