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「えっ!?歌舞伎で防犯啓発」のよもやま話

J:COM安心安全チーム、埼玉担当の山本です。

今回は、以前番組・動画でご紹介した「小鹿野歌舞伎」を取材した際のよもやま話になります。
伝統的な歌舞伎の舞台で子どもたちが防犯に関するセリフを話すという面白い取り組みです(動画は下記です)。

とにかく振り込め詐欺が減らない!

取材させていただいた「小鹿野歌舞伎保存会」津谷木部会会長の小澤さんは、取材の合間にこんなことをおっしゃっていました。

「とにかく振り込め詐欺が減らない」と。

地域性もあるかも…と前置きされたのですが、小鹿野町の方(特にご高齢の方)は【人を信じてしまう】傾向が強いそうです。
「人が良い」事を逆手に取って「人をだます」なんて誠にけしからんです!

子ども歌舞伎稽古中、厳しい目で指導する小澤さん

一回は疑ってみる

あまりしたくはないですが、小澤さんは「一回は人を疑ってみる」ことが大事と言います。
誰でも「人を疑う」なんてしたくないですよね。
でも、それをしないと自分の身を守れないというのも事実です。

山や木が私の心を癒してくれます

身近に迫る詐欺

小澤さんにも詐欺の電話は「よくある」との事。

小澤さんは建築業を営んでいるのですが、知り合い宅に「床下にシロアリがいます」と駆除業者が訪れシロアリ駆除を行ったそうです。

その後、そのお宅を建てた小澤さんの所に「シロアリ駆除をした」というお話が行き、小澤さんが改めてその家の床下を確認した所、特にシロアリの被害は無く、のぞき窓から見た範囲の所だけ白い砂のようなもの(小澤さんは「乾燥剤かな?」と言っております)が撒いてあったそうです。

駆除業者は用意周到に「よそのお宅の床下のビデオ」をそのお宅の人に見せて、いかにもシロアリがいるかのように騙したそうです。

こんな言葉にはご注意を…

子ども達にも自覚を

その様な詐欺から高齢者を守るためにも「子ども歌舞伎」での防犯セリフ披露は有効な啓発にもなりますが、実はもう一つ別の意味もあるそうです。

それは、子ども達にも「詐欺はいけないという自覚」を持たせること。
この歌舞伎の伝承と防犯啓発活動を引き継いでもらいたいということが小澤さんの一番の望みだそうです。

厳しい人かと思いきや、その目元を見れば優しい人なのが分かりますね

これからも歌舞伎で防犯啓発を

現在の子ども歌舞伎「白浪五人男」では「特殊詐欺」防止を訴えていますが、時代の流れに沿って内容(セリフ)も変更し、更に防犯啓発に努めていくそうです。

今年(2024年)10月には地芝居に関するシンポジウムと地域の芝居観劇を行う「全国地芝居サミット」が行われるとのこと。
現在(5月時点)から準備を進めているそうで何かと忙しくなるそうです。
サミットの成功を陰ながら祈っております。

取材協力:小鹿野歌舞伎保存会 津谷木部会

提供:小鹿野歌舞伎保存会 津谷木部会