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高齢者のためのオリジナル“身分証”

J:COM安心安全チーム、札幌担当の池田です。

今回は、地域で起こった出来事がきっかけとなった、"高齢者住民に寄り添った“ある取り組み”を取材してきました。

きっかけはとある出来事

ある日、おじいさんがおばあさんに「ちょっと散歩に行ってくる」と言って、出かけていきました。

夕方になってもおじいさんは帰ってこず、おばあさんが心配になっていた、その頃―――。

トラックのお兄さんは、歩き疲れた様子のおじいさんが目にとまり、心配でどこに行くのか尋ねたところ「どこだっけ?」との返答が。
最寄りの交番に連れていきました。

おまわりさんが住所を尋ねるも「分からない」。
おじいさんは身分証も持っていませんでした。

しばらく交番で保護されていたおじいさん。
しかし、おじいさんを探していた地元の人たちに見つけてもらい、無事に帰宅することができました。

地域でできることって何だろう?

札幌市清田区の里塚・美しが丘地区は、市の平均より高齢者が多いという特徴があります。持病や認知症のある方も暮らしているため、この出来事をきっかけに、何かできないかと地域で話し合ったそうです。

里塚・美しが丘地区福祉のまち推進センター 運営委員長 後藤 美智子 さん

そうして3年前に、地元警察の協力も得て始めたのが、地域オリジナルの「緊急携帯カード」です。

高齢者のための「緊急携帯カード」とは?

「緊急携帯カード」は、生年月日や血液型、かかりつけ医や持病の有無などが記入できるようになっているカードです。
医療情報だけでなく、地域の福祉のまち推進センターや警察署の連絡先も記載されています。

緊急携帯カード

このカードを身につけることで、道端で倒れたり、帰る家が分からなくても、カードを見た人が自宅や地域施設などに連絡できるようになっているのです。

緊急時に使用する地域オリジナルの身分証というわけですね。

運転免許証じゃダメ?

身分証だったら、わざわざ新しいものを作らなくても運転免許証で事足りるのでは?

…と思ったみなさん。
高齢の方は、必ずしも免許証を持っているとは限らないのです。

なぜなら・・・返納してしまっているから!

地域でつくる住民の安心・安全

もしも道端で倒れてしまったら…。
帰る場所が分からなくなってしまったら…。

これまで免許証を入れていたところに、代わりにこのカードを入れておけば、何かあっても地元の人たちが駆けつけてくれる。地元の人たちも駆けつけることができる。

地域で安心と安全をつくる、素敵なカードなのです。


取材協力:里塚・美しが丘地区福祉のまち推進センター
https://www.city.sapporo.jp/kiyota/satomi/hukumati.html