生息域拡大!水辺の巨大ネズミ~大阪府~
最近、各地で目撃されている特定外来生物ヌートリア。
かわいい見た目とは裏腹に「農作物が食い荒らされる」「固有の生態系への影響」など様々な被害が報告されています!
八尾市で農家を営む浅井さんは、ある日 ほうれん草畑でモゾモゾと動く物体を発見。近づいてみると、それはまさに今 ほうれん草を食い荒らしているヌートリアだったと言います。
「こんなにひどく作物がなぎ倒されたのは初めて」
浅井さんはそう振り返ります。
浅井さんは八尾市へ連絡して捕獲機を借り、捕まえたヌートリアを業者に引き取ってもらったとの事。
実は特定外来生物を勝手に捕まえたり駆除することはできないのです。
もし捕獲を希望する場合は、必ず事前に自治体へご相談ください!
生態系への影響
被害は農作物だけにとどまらず、固有の生態系への深刻な影響もあります。
淀川には本流と繋がった池のような場所「ワンド」があります。
ここではタナゴ類などの日本の固有種が生息しており、なかでもイタセンパラは天然記念物として地域団体等によって守られてきました。
そして2000年頃に大阪府内で初めて 淀川でその姿が確認されたのがヌートリアです。ヌートリアはイタセンパラが卵を産む二枚貝を食べてしまい、結果としてイタセンパラの個体数が減る原因となっているのです。
他にも溜池の堤防にヌートリアが巣穴を作り その穴が原因で水害が発生したという事例もあり、ヌートリアによる様々な被害が報告されています。
見かけた時はどうすれば?
大阪府内の川や池、城の堀など様々な場所で目撃されているヌートリアですが、見かけた時はどうすれば良いのでしょう?
大阪市立自然史博物館の和田さん曰く「接触すると病気がうつったり噛まれて怪我をする可能性があるので近づかない方が良い」とのこと。
また「エサを与える行為はヌートリアの個体数を増やすことになるのでやめてほしい」とアドバイスをいただきました。
かわいらしい見た目と人懐っこい性格でついつい近づきたくなる気持ちも分かりますが、自分自身の身を守り更なる被害を増やさないために絶対に近づかないようにしてください!
取材協力:大阪市立自然史博物館、浅井博さん、おおさか環農水研 生物多様性センター