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都心の安心安全な町のつくりかた

町の安心安全を守る防犯活動が、高齢化による担い手不足により継続の危機に陥ったことをきっかけに、逆に安心安全につながる「地域ネットワーク」を強く大きくした、東京都港区本芝町会の事例をご紹介します!

港区本芝町会が抱えていた問題

古典落語の有名な演目のひとつ「芝浜」の舞台にもなった港区本芝町会
近年、町会主導で行われていた防犯活動が担い手不足により継続の危機にありました。

原因の一つは、活動に参加することができるメンバーのみを名簿化し、その中で長年当番を回していたことにありました。
年月を重ね、メンバーが高齢化により減少することで、名簿内のメンバーだけでは当番を確保することができなくなってしまったのです。

新しいメンバーを求めて

町の安心安全を守るためには新しいメンバーが必須となった本芝町会ですが、防犯部の長谷さんは、普通に募集しても「参加すると町会の他の面倒事も任されそう…」と町会主導の活動にネガティブな感情をもつ住民には応募してもらえないと考えました。
そこで、活動に参加するハードルを下げるため、名簿を基にした当番制をやめ、その都度参加者をボランティアとして募集することにしました。

ボランティア募集を呼び掛けるチラシ

当番制だった時に比べて3倍の人が集まる!

従来の当番制から、「できる人が」「参加したい時」に自由に参加できる体制へと変更。すると、この変更が大きな結果を生みました。
見守り活動の参加者が3倍に増加したのです。なぜ、こんなにも変化があったのでしょうか?

ポイントは、都心回帰と呼ばれる、都心部特有の現象。
本芝町会周辺には、近年、高層マンションが多く建ち、マンション住民の数が増加していました。このことが活動参加者増加の背景にありました。

夜間パトロールの様子

都心回帰がもたらしたもの

夜間パトロール参加メンバー

夜間パトロールに参加したマンション住民の方にお話をお聞きすると…「マンション住民はマンションの中で完結してしまうので地域とつながりが無く、ボランティアと言ってもらえればより参加しやすい」とのこと。

「地域とつながりたい」というマンション住民の思いがボランティア参加という形でかなえられ、町会活動の参加者増加につながったのです。


活性化されていく地域ネットワーク

これをきっかけに参加者の生活にも嬉しい変化があったと言います。

夜間パトロールに参加されたボランティアメンバー

古希になると節分の豆まきに参加できると言うので参加させてもらった」と話すこちらのご夫婦。
ボランティア参加により地域とのつながりが生まれたことで、住民同士の交流も増え、新たな人生の楽しみも得ることができたのです!


まとめ

人手が欲しい町会側町とつながりたい新規住民
WINWINな関係性が生まれたから良い結果につながった今回の港区本芝町会の事例。変化を厭わないことが地域の課題解決のカギになるのかもしれません。


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