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大地震の時に神社同士が連携!

J:COM安心安全チーム 東京担当の山口です。

都内にある1,398の神社を取りまとめている「東京都神社庁」が6月19日(水)に世田谷区等々力にある玉川神社で行った「震災時仮拠点神社 防災訓練予行演習」を取材しました。

玉川神社(世田谷区等々力3-27-7)

「震災時仮拠点神社」とは?

もし東京で震度6弱以上の大地震が起きた場合…
・環状七号線から内側(都心方向)への車両は通行禁止
・環状八号線から内側(都心方向)への車両の通行は抑制

「第一次交通規制」警視庁HPより(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/shinsai_kisei/kisei/kisei_1.html)

そうなったときに、環状七号線の内側の神社をどう支援するかが課題となります。そこで、東京都神社庁が進めているのが「震災時仮拠点神社」の設置です。

環状七号線の外側の神社10か所を震災時仮拠点神社に指定し、外から入って来る支援物資を集めて内側の各神社に配るという、神社同士の協力体制の確立を目指しています。

訓練を前に参拝する関係者

防災グッズを使えるように訓練を!

この日集まったのは、東京都神社庁 第三地区(世田谷・目黒・大田・品川)の関係者およそ20名。

まずは、震災時仮拠点神社に備えてある発電機のかけ方を確認。スイッチを入れて紐を引っ張るだけで簡単に動き出しました。しかし大切なのは日頃のメンテナンス、いざというときに使えるように、と説明がありました。

発電機の使い方を説明

次に、折りたたみ式のリヤカーの組立訓練。
物資の運搬には欠かせないアイテムです。これも日頃使っていないと、いざというときに組み立てられないこともあります。

折りたたみ式リヤカーの組立

また、備蓄品のチェックでは、実際にエマージェンシーシートをかけて保温力を確かめたり、非常食の試食を行いました。
やはり、実際に体験することが大切ですね。

エマージェンシーシートの保温力を確かめる様子
非常食の試食の様子

さらにこの日は、実家が岩手県陸前高田市の神社で、東日本大震災の一週間後に現地に入ったという瀬田玉川神社(世田谷区瀬田)の禰宜 高橋知明さんが当時の状況を話しました。

東日本大震災の時の状況を話す高橋さん

神社は避難所ではない

「普段、誰も住んでいない神社なんですが、震災が起きて約2時間後に兄が神社にいったところ、すでに近隣の方々200人ほどが避難されていたそうです」 

「避難所の指定はされていなかったんですが、避難されてきた人の気持ちとしては神社は公共機関という感覚なんだと思います」

「最終的には、3か月間避難所として機能しました。でも同じようなことが東京で起きたら、受け入れることは難しいと思います」

神社も建物や設備が被災し、安全も確保できない中、避難者を受け入れるかどうか?判断に悩んだそうです。

救急救命講習の説明をする和田委員長

東京都神社庁 防災委員長の和田隆之さん(七社神社 北区西ヶ原)は、今回の演習を通して「震災時仮拠点神社を決めましたが、まだ具体的に何をどうするということは決まっていません。これから関係者と議論を重ね、神社同士が協力関係を深めて、震災時に神社として何ができるのかを考えていきたいと思います」と話していました。

秋に今回とは別の震災時仮拠点神社で訓練を実施し、現状の課題解決を図っていく予定だそうです。

【取材協力】 
■ 東京都神社庁 
http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/
 
■ 玉川神社(世田谷区等々力3-27-7)
https://tamagawa.lp-prime.com/