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ペットを中心に共助力をUP!~創設45年日本愛玩動物協会に聞くペット防災~

J:COM安心安全チーム 、東京担当の田中です。
突然ですが、ワンちゃん猫ちゃんを飼っている方にクイズです。

 正解は記事終盤で!

国民の約3分の1とも言われるペットを飼う人たちに向け、正しい飼い方から災害時の対策まで、家族としてかけがえのない存在を守るための知識の普及に努める、公益社団法人日本愛玩動物協会に活動内容やペット防災についてお話を伺いました。


創設45年「普通の飼い主」に届ける思い

お聞きしたのは公益社団法人日本愛玩動物協会の東海林会長、平尾部長、竹田課長の3人。

動物愛護団体と聞くとデモや過激な抗議活動などをイメージする方もいるかもしれませんが、日本愛玩動物協会は創設して45年、1度もそのような活動はせず、多くの飼い主さんがペットと楽しく暮らすことができる世の中にしようと活動を続けてきました。

ペットオーナー検定

一般の飼い主さんに向けた活動が多く、代表的なのが冒頭にご紹介した問題を中心に、飼い主が犬や猫と暮らすうえで必要な知識や大切なことを学ぶことのできる「ペットオーナー検定」です。

これから犬や猫を迎えようと考えているけれど「飼い方やマナーなどが分からない」といった悩みや、すでに一緒に暮らしているけれど「うちのペットがいつも見せる仕草にはどんな意味があるんだろう?」などの疑問点を解決してくれるクイズ形式のテキストで勉強をしたのち、オンラインで検定を受験することができます。

ペットオーナー検定の学習を進めることで、犬や猫を飼うために必要な知識を得ることができ、よりペットと安心した生活を送ることができるようになっています。

⇩ご興味ある方はこちらを御覧ください⇩

愛玩動物飼養管理士

専門的な分野の活動としては、動物関係法令や人と動物の関係学、動物の疾病予防、犬猫のしつけ等の知識などを習得・普及する指導員を養成する、「愛玩動物飼養管理士」認定制度があります。

有資格者の多くは、ペットショップや動物病院など動物専門の仕事をされている人たちの他、地域のボランティア活動などで活躍しているそうです。

ペット防災~始まりは阪神・淡路大震災~

こちらの協会がペット防災に目を向けたのは阪神・淡路大震災がきっかけ。

写真提供:神戸市

当時、被災地で犬や猫が路頭に迷ったり、ペットがいて飼い主が避難出来ないなど多くの問題が浮かび上がり、地元行政や獣医師会、動物愛護団体などが被災地への支援をしたことがきっかけで本格的なペット防災への意識が高まりました。

必要なのは「普段からの備え」

「しつけが出来ていない」「よその人や動物が怖い」などの状況があれば避難所などには連れていけません。
そのため協会では、『何か起きる前に普段からのしつけや備えが必要』『どのような備えが必要なのか』などを周知するためのパンフレットを作成し、全国の動物関連のイベントなどで配布したり、協会のHPでも閲覧できるようにしています。

また、災害時に熱意をもって被災ペットのボランティアに行ったものの、飼い主の許可もなく勝手に動物を保護してしまったり、支援物資としてペットフードを送ったものの賞味期限が切れており廃棄せざるを得なかったりと、逆に被災地の負担になってしまったケースもあることから、ボランティア活動を考える人たち向けに被災地とボランティアがスムーズに連携をとれるよう「被災ペットの救護活動ガイドライン」篇も作成しています。

⇩詳しく知りたい方はこちらを御覧ください⇩

動画で学ぶペット防災

さらに、近年ではペット防災の知識を普及啓発するための動画も制作し、ホームページで公開。より多くの飼い主さんたちへの普及を目指しています。

⇩気になる方はこちらを御覧ください⇩

ペットを守るために必要なこと

最後に、ペット防災を考えている飼い主さんに向け、協会の平尾さんにお答えいただきました。

平尾「ここ数十年で『防災』という言葉が身近になってきています。まずは自分の身を守ることが大切ですが、一緒に暮らしているペットを守るためにも、その準備をしていくことが大切です」

協会が発行している機関誌「with PETs」

「ただ、頭でペットを守ろうと考えているだけではいざという時に行動できません。たとえば普段の生活の中から1つずつ準備を始めてみてください。

▼いつも過ごす場所にキャリーバッグを置いて、そのなかで休むことができるようにしたり

▼いつもと違う器でご飯を食べさせてみたり

考えれば色々なことが出来ると思います。まずは色々な視点をもって生活していくことで、それがいずれは大きな力になり、ペットと自分を守る防災につながるかもしれません」

ペットを中心に助け合える仲間を増やす

また平尾さんは「災害時は自分の身は自分で守ること(自助)も大切ですが、それだけでは解決できない事もあるので、殻に閉じこまらずに、ペットを中心にいろいろな人たちとの接点を作ることも大切」とおっしゃっていました。

共助の力が必要な防災。
この記事をきっかけに、ペットを中心にご近所同士で防災を考えるのもありかもしれません。


《クイズの答え》

東京都内では70%~90%の人たちが室内でペットを飼うようになっている(※冒頭クイズの正解は②でした)

災害時に避難所生活を余儀なくされれば、大切なペットと一緒のスペースで過ごせないことの方が多いと聞きます。
もしもの時に備え、日ごろから準備をすることが大切ですね。


取材協力:公益社団法人日本愛玩動物協会