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「あるモノ」を使った初動対応の消防訓練

J:COM安心安全チーム、北九州エリア担当の今石です。
残念ながら北九州市内では近年、昔からの市場や商店街の火災が数多く発生しています。木造の建物が密集するこのような場所は、ひとたび出火すると被害が広がりますよね。そこで重要なのが初動対応。
戸畑区にある戸畑中本町商店街で11月20日、「あるモノ」を使った初動対応の消防訓練が実施されるとお聞きし、居ても立っても居られず取材に行ってきました。「あるモノ」とは、いったい何でしょう???

北九州市の中心市街地にある鳥町食堂街一帯で発生した火災(2024年1月)

「あるモノ」を使った初動対応の消防訓練

初動対応の消防訓練で使った「あるモノ」とは???

サポートホイッスル(通称:サポ笛)

ジャジャーン!!!「プラスチック製の笛」です。
近隣相互の消防活動や避難を促すもので「サポートホイッスル」通称「サポ笛」と呼ばれているモノだそうです。

戸畑消防署が建物が密集した市場や商店街の店舗に配布したもので、もしも出火した場合に、いち早く周りに伝える優れモノ。
商店街の中で火災が発生したという想定で行われたこの日の訓練では、戸畑中本町商店街の約30店舗のスタッフが参加し、火災の発見者が「サポ笛」を高らかに鳴らしました。笛を聞いたスタッフたちは、さらに「サポ笛」を鳴らした後、初期消火を行ったり、避難誘導をしたりと迅速に行動していました。

訓練会場となった戸畑中本町商店街(北九州市戸畑区)
サポ笛を吹いて、火災発生を周囲に知らせます
笛の音を聞いた店のスタッフが消防に通報
さらに別の店のスタッフが消火活動を行いました

サポ笛に期待されることは?

サポ笛は、いち早く、火災の発生や状況を周囲に伝え、店舗相互の応援体制を整えるためのものなんですね。サポ笛を聞いた店のスタッフは笛を鳴らし、またそれを聞いた別の店のスタッフは笛を鳴らす。店の数だけ連鎖的に笛が鳴り、状況を瞬時に周囲に知らせることができ、初期消火や通報、避難誘導など、地域ぐるみで応援体制を早期に作ることができるんですね。
この仕組みが火災の被害を最小限に留めるとともに、サポ笛を聞いた地域住民をいち早く屋外へ避難させることができるそうです。

訓練を終えて

訓練の後、商店街のみなさんに戸畑中本町商店街協同組合の宮﨑敏久理事長が「火災の際は、初動対応と初期消火が大切」と話し、また戸畑消防署の太田和弘副署長が「火災の発生をいち早くみなさんに知らせて、笛の音を聞いたら、消火、通報、避難誘導につなげていただき、被害を最小限にとどめるといった防災体制を市場、商店街でつくっていただきたい」と話していたのが、地域と商店街の安心安全を自ら守るという決意を感じ印象的でした。

訓練に参加したみなさん
各店舗に配布されたサポ笛

取材を通じて

サポ笛の活用は、笛を鳴らし、火災の状況を周囲に素早く伝えることで、早期応援・早期避難を可能にし、地域全体の被害を最小限に留めることが期待できます。
今回は、発生すると大きな被害になる可能性の高い商店街での訓練でしたが、サポ笛による火災発生時の伝達方法は、地域でも活用することができるのではないかと思いました。
近所の方々と連携し、被害を最小限にとどめる。まさに向こう三軒両隣!!
とはいえ、火災が発生しやすい時期です。
まずは、火災を起こさないよう火の取り扱いには注意したいモノです!

取材協力:戸畑中本町商店街のみなさん、戸畑消防署・戸畑警察署等のみなさん