【3分動画】津波から逃れる地図は山でも役立つ
がけ崩れや集落の孤立、土砂災害にはどんな避難計画を立てれば良いのでしょうか。
住宅のすぐ後ろに山が迫る埼玉県秩父市。
ここは土砂災害と隣り合わせの地域です。
中でも久那地区では、土砂災害警戒区域の中に指定避難所があります。
避難場所に行った方が安全なのか?行かないほうが安全なのか?
住民は改めて「避難行動マップ」を作り、検討することにしました。
このマップ作りによって、道路や指定避難所が土砂でふさがれた時、どうすれば良いか誰も分からないという問題に直面しました。
そして、住民は土砂災害警戒区域ではないところに避難経路を作り、逃げ込めばいいということを思いつきます。
土砂災害リスクの少ない所に複数の新たな避難場所を想定してみると、すぐにでも避難できる安全な場所があちこちに見つかりました。 こうして新しい避難場所が地区防災計画に組み込まれ、柔軟な避難ができるようになりました。
実はこれ、「逃げ地図」と言われる、津波対策として誕生した避難径路の検討方法なのです。
「逃げ地図」は目標として定めた避難地点までのルートを、そこまでにかかる時間で色分けした地図の事で、地域住民が自分たちで作成するものです。
孤立が予想されるエリアでは新しい逃げ方を発案するきっかけになりました。津波対策の検討方法が山でも役に立つことが分かったのです。
「逃げ地図」の検討により、土砂災害危険区域にあった避難場所をより安全な所に変更し、さらに高台の施設に避難するというアイディアに発展。
住民の発案に行政も共感し、新しい指定緊急避難場所がハザードマップに追加されることになりました。
避難場所に向かう道について「逃げ地図」作りで1度考えてみるのも良い、という一つのケースとなりました。周りの状況に応じて、指定避難所に行く以外の選択肢を検討することも大事ですね。