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竹ノ塚の柔軟なパトロール連合

地域防犯の新しい教材「T-VOLAN」

J:COM安心安全チーム 東京担当の市川です。

1990年代、「ビーイング」という音楽事務所に所属し、『離したくはない』、『Bye For Now』といったヒットを飛ばしたのは、ロックバンドの「T-BOLAN(ティー・ボラン)」。

これからご紹介するのは、足立区竹の塚で活動している自主防犯ボランティア団体「T-VOLAN」(ティーボラン)です。「こちらJ:COM 安心安全課」という番組で放送(※)したときよりも、より洗練された出来事があったのでアウトプットしておきましょう。
※そのときの番組はこの記事の最下段からご覧いただけます。

再開発が進む竹ノ塚駅周辺

まちを見守る やさしいおやじたち―T-VOLANの挑戦

2022年9月24日、足立区の竹の塚地区に誕生した防犯ボランティア団体「T-VOLAN」。この名前は、ロック好きの方は、つい気になってしまいますが「TAKENOTSUKA VOLUNTEER OF LEADING ACTIVE NETWORK」のことなのだそうです。

和気あいあい

「竹の塚」の頭文字をとって“T”と「ボランティア」を掛け合わせています。T-“VOLAN”と“VOLUN”TEERでは「スペルが違う」と思った方がいるかもしれませんが、それは既にハマっています。地域住民に興味を持ってもらうための重要な仕掛けです。

Tシャツに込められた思い

アイデンティティを表現するTシャツデザイン

活動中に着用する昼・夏向けTシャツが新しくできました。デザインしたのは、バーバーショップ「レイモンド」のヘアスタイリストさんです。全体の塗りつぶされたような黒の部分は「世の悪」を象徴し、その上に描かれたニコちゃんマークは活動の柔らかさと希望を表現しています。このニコちゃんマークは、「悪を白く塗りつぶしていく」改善イメージ。グループの思いが込められています。

レイモンドにて

行き交う人に「何なんだ?!」と思われることが大事。前からのデザインを見て、気になった人は後ろを見るのではないかという計算もしています。

夜のパトロールは各所属のビブスを着用するケースが多い

結成の背景

T-VOLANは連合体です。2022年9月24日結成しました。これよりも前から、足立区立第十四中学校の“おやじの会”が竹ノ塚駅周辺のパトロール活動をしていたところ、周辺の小中学校のPTAやお父さんの会などにも輪が広がり、多くの保護者が参加するようになりました。マスコミは「おやじ」推しで取り上げたいところですが、新たにPTAから女性も数名加わりました。

メンバーはPTA役員も

取り入れる勇気

いかなる組織もNew Faceを受け入れるときは少なからず抵抗があるもの。しかし「輪が広がる」という点が、なかなかマネできないところです。単なる防犯活動を超えた新しい流れのように見えます。いまは世代交代が無ければ、コミュニティの新しい発想が生まれません。

T-VOLANのみなさんは、やはり柔軟な思考を持っています。それでいて、先輩たちの背中を見て育ってきたため、正々堂々と硬派さも併せ持ち、バランスよく作用しています。

この日に参加したみなさん

パトロールの先にあるもの

T-VOLANの主な活動は、防犯パトロールです。その日のコースは足立区の防犯メールや警視庁の不審者情報を参考に決定します。5つの小学校(栗原北、西新井第二、伊興、西伊興、東伊興)と3つの中学校(足立第十四、伊興、西新井)の学区内を重点的に巡回します。

ゴミ拾いも

チラシはがし、暗い所のチェック、ゴミ拾いといった具体的な活動で地域を守ります。近隣のPTA行事やお祭りは、学区を越えて助け合えるということが大きな利点です。

目を見て挨拶

「すべては子どもたちのために」

「すべては子どもたちのために」という強い信念があるため、T-VOLANはきょうも竹の塚の街をパトロールします。おやじたちはブレません。女性もブレません。子どもたちには、この背中をよく覚えておいてほしいものです。

背中で語る安心安全

良いお手本となっていた先輩との関係、世代を超えた親と子供がタテ。学区内の連携、学校を飛び越えた仲間たちの集まりがヨコです。線と線が面になるイメージ。頼もしきT-VOLANです。

取材協力:T-VOLAN