地域に「帰る場所」をつくる -願生寺(大阪市住吉区)-
J:COM安心安全チーム、関西担当の上田です!
大阪市住吉区に願生寺というお寺があります。
このお寺は地域の方を招いて、さまざまなイベントを開催しています。
高齢者が心身の悩みを相談できる「まちの保健室」
障害者が地域で孤立しないように交流する「ごちゃまぜカフェ」
介護者同士が苦労を分かち合う「介護者カフェ」など…。
さまざまな立場の人たちが交流できる場として、地域に根差した存在になっています。
そして、子どもたちに対しても寺子屋やこども食堂を開催しています。
今回、こども食堂に遊びにくる子供たちを中心に集めて、ある面白い取り組みが行われました。
それは、お寺の襖(ふすま)に絵を描くこと。
子どもは襖に対して大胆不敵
子どもたちが一定数集まると、やはり襖には穴が開いてしまうものなのだそう。せっかく新調するならと、子どもたちに絵を描いてもらうことにしたそうです。
襖の片面には、子どもたちが事前に動物の絵を描きました。
そして、その裏面には子どもたちの手形。
襖に手形を押すのは少し躊躇するのかなと思っていましたが、みんな迷いなく大胆に自分を刻んでいました。
襖絵を仕上げるのは画家の中島裕司さん。
子どもたちの個性豊かな絵を1つの世界にまとめあげていきます。
そして、完成した襖絵がお披露目されました。
テーマは「生命讃歌」
さまざまな命が存在し、互いを大切にし合う平和な世界が描かれています。
成長して、またこの町に帰ってこられるように
願生寺住職の大河内大博さん。
「子どもたちに襖絵を描いてもらったのは、子どもたちが成長したとき、帰ることができる場所をつくるためだ」といいます。
絵を描いた子どもたちが大人になって、自分の子どもをこの地域で育てたいと思えるように。襖絵はそのシンボルなのだそうです。
大河内さんは話します。
「帰れる場所があることが、地域の安心安全にもつながっていく」
取材協力:願生寺