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熊本地震が教訓 熊本産!乳幼児向けの防災食

J:COM安心安全チーム、熊本担当の山口です。

2016年4月14日と16日、立て続けに起こった熊本地震。
2度の最大震度7を記録した地震は、甚大な被害をもたらしました。

あの時の記憶と教訓を伝えていくため、J:COMでは毎年「熊本地震復興祈念特別番組」を制作し、被災から復興へ向かう町と人々の姿を伝えています。

今年、番組で焦点をあてたのは、「大津町」

熊本県中北部に位置する、菊池郡大津町。
2016年の熊本地震では、震源に近かったこともあり、大津町も大きな被害を受けました。

死者4人、重軽傷者36人。
建物の被害は一部損壊までを合わせると、5290棟に上ります。
大津町役場もほぼ使用できなくなるほどの悲惨な状態に…。

今回は、特別番組でお伝えしたエピソードの一つ、大津町から熊本地震をきっかけに誕生した乳幼児向けの防災食をお伝えします。

誕生したきっかけは、熊本地震の避難所での出来事

150年以上続く製粉会社「中村製粉」は、大津町で落雁粉やだんごの粉など様々な商品を手がけています。

代表の中村和弘さんは、熊本地震の際の避難所の様子をこう話します。
「避難所で大人が食べるものとか、ミルクなどの物資はあったんですけど、離乳食が全然なかった。離乳食を作るにもお湯がありませんでした」

その当時の経験から、調理施設がなくても水を混ぜたらすぐに食べられる離乳食を米粉で作れないだろうかと思い、米粉を使った離乳食の開発を始めました。

防災食「おこめとやさいの離乳食」を開発


そして2020年、地元熊本の崇城大学の協力も受けながら、避難時の課題を解決する防災食「おこめとやさいの離乳食」を開発しました。

特徴は、3つあります。
「火を使わない、水だけでOK」
「賞味期限が長い」
「粉末なので持ち運びが楽」

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草の3種類で100%熊本県産、添加物不使用のグルテンフリーで野菜も取ることができ、災害時にも使用できる安全・安心な離乳食です。

開発した中村さんは、話します。
「特に今、災害がいろいろ発生しています。各家庭での災害食のストックとして、準備いただければと思っております。また、地震で学んだこと、災害弱者に対しての備蓄の重要性をこの商品を通じて伝えていきたいと思います」と。

中村製粉がある大津町では、備蓄の重要性を再認識し、この離乳食を子育て検診センターに常備しているそうです。

大きな被害を受けた大津町で必死に前を向き、復興への道のりを歩んできた町の人たち。
番組では、中村さんを含めた4人のエピソードを紹介しています。

あの日、何が起き、人々はどのように復興へと歩み始めたのか?
そして、その経験は私たちにどのような教訓を残したのでしょうか…?


特別番組は、YouTubeで視聴可能です。是非、ご覧ください。
【番組】熊本地震復興祈念特別番組 教訓を未来へ~大津町編~(2024年4月14日放送)

取材協力:大津町役場、中村製粉