見出し画像

世田谷発‼在宅避難のススメ

J:COM安心安全チーム、東京担当の田中です。

マグニチュード7程度の首都直下地震が「今後30年で70%」の確率で発生すると言われています(※2014年、政府の地震調査委員会)。
私たちはどのような備えをするべきなのでしょうか?

10月12日(土)、世田谷区の烏山区民センターで、在宅避難に備えるための講演会が行われました。講演を聴講して筆者が気になった、「在宅避難に欠かせない3つのポイント」を紹介します!

宮﨑猛志さん

講師は、せたがや防災NPOアクション代表やNPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事を務める宮﨑猛志さん。

1993年の北海道南西沖地震での救助活動に始まり、阪神・淡路大震災、東日本大震災、近年では令和6年能登半島地震と、これまでに数多くの災害現場で支援活動を経験されています。

講演では、宮崎さんの過去の体験談も交えながら、在宅避難に必要な知識をレクチャーしていました。


ポイント① 家の備えはどこから手を付けるべき?

在宅避難を考える上で、家の中を守る対策は必須。
家具の転倒対策などやらなくてはいけないことは分かるけど、リビングやキッチン、寝室など全ての部屋で対策を進めるのは大変。
手始めにどこの部屋から手を付けるのが良いのでしょうか?

宮崎さんは、ひとつの方法として「まず自分がどこにいるのかを一週間分書き出し、一番長くいる場所を割り出して優先順位を決めるのが効率的」と紹介。

「そう考えると…ほとんどの人が寝ている時間が一番長いのでは?」ということで、まずは寝室から手を付け、次にリビングや台所と進めていくのが良いでしょう、というお話をされていました。

ポイント② 災害時はどんな情報を信じるべき?

王道の情報源だけを信じる。
▼(自治体発信の)防災防犯メール
▼自治体公式のSNS(XやLINEなど)
▼コミュニティラジオ、ケーブルテレビのような地域密着のメディア

一番、気を付けなくてはいけないのは、災害が起きた時は、これらの王道からの情報だけを信じること!

過去、様々な被災地でボランティアを経験している宮崎さんは、このほかの情報源から出るデマ情報が現地で混乱を招いていた経験から、出所不明の情報を頼りにせずに王道を信じてもらえれば、と話されていました。

ポイント③ 水の備蓄はどれくらいすべき?

人間が1日に必要な飲み水は3ℓと言われ、それが4人家族なら12ℓ。
10日間となると100ℓを超えることになり、これを備蓄となると…あまり現実的な話ではありません。

そこで、宮崎さんのアドバイスは、まずは自宅にある飲み水(代わりになるものも含む)を考えてみる

例えば…
▼家に氷が沢山ある
▼家で麦茶をやかん2つ分作っている
▼冬場はみかんを箱買いしている
▼牛乳が必ず冷蔵庫にある

など、普段から家にあるものでどれくらい置き換えることができるのかを計算。これを差し引いて考えれば、100ℓの水を備蓄しなくても、押し入れに入るくらいでなんとかなるかもしれません、とレクチャーしていました。

水も大事だけど備蓄の中にはご褒美も大切

最後に備蓄の考え方の1つとして、ご褒美になるようなものをストックしておくのも有効とのこと。

例えば、救援物資は塩味が強いモノ、高カロリーのものが多く、欲しくなるのは「甘いモノ」。そこで、甘い缶詰やチョコレートをストックしたり…。

晩酌用のオイルサーディンやキャビア、それに合うワインなど、在宅避難時のご褒美になるようなものをストックしておくのも、災害を乗り切るモチベーションになるかもしれません、と話されていました。

(まとめ)在宅避難のデメリットを考えるのも大事

在宅避難のメリットは、「プライベートが守れる」など思いつくことが多いかもしれませんがデメリットを考えるのも重要!宮崎さんは、デメリットは大きく3つある、とお話していました。

①物資を自分で取りに行かなくてはいけない
②情報を自分で取りに行かなくてはいけない
③周りに相談できる人や頼れる人がいなければ孤立する

上の3つのデメリットを考えてみると、事前に準備をしておかなくてはいけないことが見えてくるのではないでしょうか?

「自分は大丈夫」とたかをくくらず、もしもの時を想定して、今出来ることをやるのが大事なのかもしれません。

取材協力:せたがや防災NPOアクション
https://www.sbna.tokyo/