避難者を振り分ける「要配慮者トリアージ」
J:COM安心安全チーム、東京担当の山口です。
10月20日(日)、さわやかな秋晴れの下、武蔵野市立第三小学校で行われた武蔵野市総合防災訓練を取材しました。
市民や防災関連団体、警察、消防など675人が参加。
放水訓練やAED体験、ペット同行避難訓練などの他、防災に関する展示などが行われていました。
要配慮者トリアージとは?
中でも私が注目した訓練は「要配慮者トリアージ」。
武蔵野市では、避難所の受付で、避難所での対応が難しい医療・介護・保護等が必要な方を適切な施設に振り分ける「要配慮者トリアージ」を検討していて、この日は市民が参加して訓練が行われました。
要配慮者の事情は様々
訓練では、市民のみなさんが避難所の受付役を担当しました。
避難所が開設されると、様々な事情を抱えた避難者(市職員が担当)が受付にやってきます。
要配慮者として、ケガをした人、身体に障害のある人、高齢者、妊婦、乳幼児を連れた夫婦に加え、見た目では分かりづらい感染症の疑いがある人や精神疾患のある人、また、コミュニケーションがとりづらい外国人や目・耳の不自由な人なども想定されていました。
状況に応じて適切な施設へ
受付では、氏名や年齢、身体の状況を聞き取り、どんな配慮が必要かを判断し、通常の避難所、おもいやりルーム(避難所内の別の部屋)、福祉避難所や医療機関等への振り分けを判断しました。
訓練に参加した方は「避難者がどういった状況なのかを聞き出すことはもとより、どんな配慮が必要なのかを判断するのが難しかった」と話していました。
避難所には様々な避難者が来る
武蔵野市の担当者は「市では自宅避難を基本としていますが、避難所に行かざるを得ない状況もあります。そんな時は、避難所には様々な人が集まってくるので、お互いに配慮をしながら生活していかなくてはならないことをあらかじめ理解しておいてほしい」と話していました。
市では、今後も訓練を重ね、より一層の周知に努めていくということです。
今回の取材を通じて、避難所運営の際には、様々な状況に対応し判断することがたくさんあることが分かりました。
日頃から意識して訓練を行うことで、ひとりでも多くの人を助けられるのではないかと感じました。
取材協力:武蔵野市