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学校に不審な男が侵入!実践的な訓練で備える!

J:COM安心安全チーム、北九州エリア担当の今石です。
昨年12月、北九州市のファストフード店で起きた中学生殺傷事件。
とても悲しい事件ですが、このような犯罪に遭遇する可能性は、誰でもゼロではありません。
不審者侵入によるこのような事件に巻き込まれた時、自分、そして、周囲の人たちをどのような行動で守りますか?
北九州市内の小学校では、子どもたちを守るため、不審者侵入を想定した訓練が行われています。その様子を取材しましたのでお伝えします。

北九州市立星ヶ丘小学校(北九州市八幡西区)

警察と連携した実践的な訓練

取材したのは、北九州市八幡西区にある星ヶ丘小学校で行われた訓練です。
訓練には、児童や教職員など約350人が参加。より実践的な訓練にしようと、八幡西警察署の署員も加わりました。

校内に不審な男が侵入したという想定で行われた訓練。
見回り中のスクールヘルパーが不審な男を発見すると、すぐに教職員へ伝えます。報告をうけた職員は、警察へ通報。

校内に不審者侵入
スクールヘルパーさんが教職員に報告

並行してその他の教職員は、複数人で、不審者への対応を行います。

教職員:どうされました?
不審者:子どもと遊びたいんよ
教職員:お名前伺ってもよろしいですか?今授業中なので…
不審者:危害加えんのやけ、いいやろ
教職員:こちらのお部屋でお話を聞きますよ

教職員の制止を振り切り校内へ(真ん中が不審者)
感情を逆なでしないように呼びかけます(右が不審者)
教職員の呼びかけを振り切り、教室のドアをたたきながら徘徊する不審者(左)

教職員は、不審者が教室に近づかないよう行く手を阻み、感情を逆なでしないよう慎重に呼びかけます。
同時に、校内放送で児童たちへ注意を呼びかけ、それぞれの教室を施錠するなど、児童たちの安全確保に努めました。

学校に備えられている防犯用具

訓練では、「さすまた」が使用されました。
「さすまた」とは、2メートル余の棒の先に、二またに分かれた鉄製の頭部をつけたもの。相手を凶行に走らせないための威嚇や警察が到着するまでの時間稼ぎのための道具です。
警察で用いられることがあるほか、学校などの施設で防犯用具としても使用されています。
この日の訓練では、複数名の教職員が、護身用の「さすまた」を使って、不審者を威嚇するなどし、警察官の到着を待ちました。

「さすまた」を手に不審者のもとへ
複数人で対応することが大切
警察の到着を待ちます

星ヶ丘小学校の防犯対策

今回の訓練にあたり、星ヶ丘小学校では、教職員が効率的に不審者侵入事案に対応するため、「通報・指示班」「不審者対応班」「救護班」「児童安全確保班」など役割を組織化したそうです。
また今回の訓練を通して、効果や課題を洗い出し、いざという時の為に備えるとのこと。そして児童にも自分で自分の身を守れるよう指導をしていきたいと話していました。

大きな声で助けを求める

今回の訓練で児童たちは、教職員の指示のもと、安全が確保されるまで教室で待機。その後、体育館へ避難しました。八幡西警察署生活安全課の署員は、もし、不審者に遭遇した際は、「自分の大事な命を守るため、危険を感じたら“助けて!”と大きな声で叫んでください」と児童たちに呼びかけていました。

「大きな声で叫んで、助けを求めてください」と呼びかける警察署員

取材を通じて

警察署員が話した「自分の身は自分で守る」という意識を持っておくことはもちろん大切です。それに加え、たくさんの子どもたちが集まる学校や幼稚園では、学校や幼稚園側の備えも重要です。星ヶ丘小学校では、いざという時に備え、このような訓練を定期的に実施しているとのこと。また、対策マニュアルも作成しているそうです。
訓練の取材をするたびに思うことは、「一生懸命、真剣に」そして「繰り返し実施、参加すること」が大切だということ。
このことを私も制作者として地域に伝えていきたいと思います!

取材協力:星ヶ丘小学校、八幡西警察署