地域に愛され20周年「お帰りパトロール隊」
J:COM安心安全チーム、関西担当の山田です!
先日、和歌山市立松江小学校で「お帰りパトロール隊20周年イベント」が行われたので、覗いてきました!
和歌山市松江地区は、以前「こちらJCOM安心安全課」で取り上げた安否確認のための黄色のリボン訓練など、防災にも力を入れている地域です。
防災だけではなく、こちらで長年続けられているのが、松江地区お帰りパトロール隊!
2003年に大阪府熊取町で下校中の小学生が何者かに連れ去られた誘拐事件を機に、翌年2004年に発足。
「松江はひとつ」「松江の子どもは松江で守る」を合言葉に、以来20年にわたり、小学校の下校時に合わせて見守り活動をしています(今では登校時もパトロールしています)。
当初は隊員数が250人でしたが、ピーク時の882人を経て、現在は419人。
お帰りパトロール隊創立当時(2004年)は和歌山北警察署管内の刑法犯罪認知件数が2085件でしたが、昨年(2023年)には604件に減少。
長年の見守り活動による効果が出ているようです。
20周年記念式典では「お帰りパトロール隊」隊長・川口さんの開式挨拶から始まり、今までの活動の歩みをスライドショーで振り返りました。
このほか、和歌山県警察音楽隊の演奏など、地域の人たちが楽しめる催しも行われました。
また、学校の運動場には、14台のキッチンカーのほかマグロの解体ショーや抽選会なども行われ、大盛り上がり!
なかなか日頃味わうことのできないイベントの数々に、地域の人たちは楽しんでおられました。
イベントは、パトロール隊の20周年を祝福するために、PTAや地域の方々も協力して開催されることになったようで、長年築き上げられたお帰りパトロール隊と地域住民の絆の深さに、とても関心しました。
ここで、私が以前に「黄色のリボン訓練」で取材した川口さんとのエピソードを少しお話しします。
「子どもたちと話すことが生きがいや」
住宅街で撮影していると、川口さんがすれ違う地域の子どもたちに声をかけていました。
声をかけられた子どもたちは、まるで自分の親戚のおじさんに話しかけるかのように「今から部活やねん!」「大変やわ~」などの会話が始まりました。この親しい距離感に私はびっくり!
不思議に思い、川口さんに「どうして地域の子どもたちとよくコミュニケーションを取れるのか」と尋ねたところ、子どもたちと仲の良い関係の秘密は「長年続けてきた見守り活動にある」との事でした。
ほぼ毎日、登下校に合わせて見守り活動をし、子どもたちに声を掛け続けていたことで、小学校を卒業しても、街ですれ違う度に声を掛け合う間柄になっていったそうです。
「このような見守り活動を通し、地域の人たちとの結びつきが強くなることで防犯だけでなく、防災活動の時にも協力し合うことができる。それは、災害時に大切な「共助」にもつながる」と言います。
日頃の「見守り活動」で地域の人たちや子どもたちと顔見知りになっていることが有事の際に「共助」に繋がる土台作りになる。
松江地区の強い結束力の根源を学びました。
話を聞いている途中で、川口さんが「子どもが大好き、子どもたちと話すことが生きがいや」と仰っていた優しい笑顔が印象に残っています。
パトロール隊に見守られた子どもたちが次の代へと継いでいくかもしれません。彼らの活動が今後30年、40年…と長く続いていくといいなと思いました!
取材協力:松江地区お帰りパトロール隊、和歌山市立松江小学校