住民が交番をつくった神戸・北須磨団地
こんにちは。安心安全チーム、関西担当の松本です。
今年3月に放送した神戸・北須磨団地のあいさつ運動(https://youtu.be/m3kpv_P1qFY)は、大阪教育大学附属池田小学校の児童殺傷事件がきっかけで始まったのですが、"北須磨"といえば、真っ先に頭に浮かぶのは、あの事件ですよね。
1997年5月に起きた神戸児童連続殺傷事件。
かなりショッキングな内容だっただけに、数駅離れた私の地元の小学校でも、それまでなかった集団下校が始まるきっかけになりました。
犯人逮捕に至るまで、もちろん団地内でも住民によるパトロールが徹底されたのですが、実は事件当時、北須磨団地には交番がなかったんです。
この事件をきっかけに翌年、自分たちで資金を集め、交番を作ることに。
それが「友が丘防災防犯センター」です。
地域の見守り活動の拠点として誕生し、いまでも住民団体や地域のこどもたちの交流の場として機能しています。
このように大きく目立つものもあれば、よくよく見てみるとまちの防犯につながっているものも、このまちにはあるんです。
「掲示板、見てみぃな」
北須磨団地自治会長の西内さんとの打ち合わせの中で何度も出てきたこのフレーズ。
敢えて深く理由を聞かず、一度見てみることに。
帰りしな、バス停に着くと、そこにちょうど掲示板が。
「なんの変哲もない、どこにでもある掲示板…」
スゴイ目を引くポスターがあるわけでもなく、結局どこにどんな特徴があるのかわからずのまま、帰りのバスに乗り込みました。
そして後日、西内さんに掲示板のことを聞いてみました。
「ポスターがキッチリ貼られてるやろ?あれが破れたり、ゆがんでたり、汚いままやったら治安がよくなくなるわ」
「安全安心のまち」を謳う北須磨団地にとっては
これこそが、治安維持のための生命線だといいます。
細かなところまで住民が主体となって手入れをすることで、自分が住むまちに愛着がわく。だからこそこのまちが安全で安心して暮らせるまちになってほしい。当たり前のことかもしれないが、防犯上のテクニックに終始するのではなく、まずは自分のまちを好きになることこそが大事なのではないでしょうか。
取材協力:北須磨団地自治会