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井戸を守る「井戸端会議」!

J:COM安心安全チーム 東京担当の山口です。

みなさんは「井戸端会議」と聞くと何を思い浮かべますか?普通は「主婦たちが集まって世間話をすること」ですよね。ところが、国分寺市に、まったく違う井戸端会議を毎月行っている地域があると聞き、取材してきました。


井戸を囲んだ井戸端会議(室内プール前井戸)

井戸端会議とは?

国分寺市には、市が公園などに設置した「むかしの井戸」と呼ばれる手押しポンプ井戸が25か所あり、災害時には生活用水として活用することができます。内藤・日吉地域連合防災会のエリアには、そのうち5か所があり、毎月1回、それぞれの井戸の近隣住民が集まり、「井戸端会議」という名称の会議を開いています。

井戸端会議の様子(なかよし井戸)

井戸端会議で何をする?

どんなことを行うかというと・・・ 災害時に井戸を使うことができるように、水量やポンプの動作確認、井戸の周りの清掃を行います。そして、生活用水として使うことができるかどうかを調べるため、簡易水質検査も行います。水質検査は市から委託されていて、アルカリ性か酸性かを調べるpH値や、鉄分の濃度、亜鉛の濃度の3つが基準値内かを確認し、市に報告します。

検査結果を記録する様子

地下水は、ポンプを使って地下数十メートルからをくみ上げています。そのため、新しい地下水の水質を調べるには、配管に残った古い水を出し切らなくてはなりません。手押しポンプを交代で数十回押して水を出す作業があり、これが意外と重労働なんです。

何度もポンプを押して水を出す様子

防災に関する情報や意見交換

水質検査が終わると、内藤・日吉地域連合防災会の役員から、お知らせやイベントスケジュールの案内をしたり、参加者が自発的に防災に関する情報を提供しあったり、活発な意見交換を行っています。

防災に関する勉強会を開催

地域情報を集める大切な機会

参加者の中には、国分寺市社会福祉協議会と地域包括支援センターのスタッフもいます。団体からのお知らせもしますが、参加する一番の目的は、地域の中で困っている高齢者や障害者の方々の情報を集めることだそうです。困っている人がいても中々表面化しないので、こういった地域の人たちが集まる場所で情報を得ることが重要なんだそうです。

情報交換をする様子(さつき井戸)

内藤・日吉地域連合防災会の井戸端会議の意義・目的は、いざという時のために井戸を管理していることはもとより、顔と顔を合わせた地域交流の機会を作ることにあるんだと実感しました。 

皆さんの地域でも、井戸端会議を始めてみてはいかがでしょうか?

国分寺市内で始めたい方は、国分寺市 総務部 防災安全課 防災まちづくり担当にご相談ください。

【取材協力】
・内藤・日吉地域連合防災会
・国分寺市 総務部 防災安全課 防災まちづくり担当
・国分寺市社会福祉協議会
・地域包括支援センター こいがくぼ
・地域包括支援センター ひよし