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NPO型の福祉避難所ってどういうトコロ?

J:COM安心安全チーム 茨城県担当の小幡です。
災害時、特に支援を必要とする要援護者のうち、一般の避難所での避難生活が困難と思われる高齢者、障がい者、妊産婦等が避難する福祉避難所。避難生活による身体的・精神的負担の軽減を図る事を目的として、行政が特別養護老人ホーム等と協定を結び指定しています。行政に頼らないNPO型福祉避難所があると聞いて、取手市本郷へ取材に向かいました。

NPO法人活きる(茨城県取手市)

NPO法人活きる 宮脇 貞夫 副代表

「NPO法人活きる」は、茨城県取手市を中心に2005年に設立。在宅の障がい者を対象に、社会参加、就労支援を中心として家庭内に引きこもりがちな身体に障がいのある方や、その家族に働きかけ、地域社会に触れるきっかけを作るなど 、就労を含めた自立に向けての総合的な支援活動をしています。

事務所全体が避難所に

災害時、事務所にある机などはベッドとして使用される

災害時は要援護者の受け皿として福祉避難所が設定されていますが、福祉避難所の多くは既に入所者で手一杯となっているのが現状です。そこで災害時に備え、障がい等があっても配慮された避難生活を送る事ができる支援体制の構築を目的に「NPOによる小規模ながら多機能な福祉避難所」が全国的に立ち上がりました。
「NPO法人活きる」では、事務所設立時から福祉避難所としての機能を有し、障がい者が必要とする食事や設備が整っています。現在は、会員の方を対象に災害時の受け入れを行っています。

障がい者に必要な設備が充実

車椅子でも安心して使える介護ベッドやトイレ

事務所の奥には車椅子で入れる部屋があり、障がい者が安心して使える介護ベッドやトイレが設置されています。部屋は個室になっているので呼び出しベルがあり、オムツの交換などプライバシーにも配慮されています。

いたるところがバリアフリー

水回りも車椅子に座ったまま使用できるバリアフリー対応。水道の蛇口もレバー式と障がい者の使い勝手を考えた設計になっています。水は飲料可能な井戸があり、もちろん発電機も備えています。食料の備蓄も3日分ほど確保しているので、避難後も安心感がありますね。

避難を少しでも楽しく過ごすために

事務所前ではBBQが楽しめる

避難時は何かと気分が落ち込みやすいものです。そこで少しでも避難所生活を楽しんでもらいたいという思いから、バーベキューの設備を事務所前に設置。電気やガスなどのライフラインが止まっても、火を起こして温かい食事をとることができます。

今回の取材で、細部にわたり障がい者向けの設備やバックアップ体制が充実していると感じました。
今後、さらに多くの福祉避難所が整備され、障がい者やその家族が安心して避難できる環境が広がることを願います。

                      取材協力:NPO法人活きる