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石神井消防署「若手ジョイントプロジェクト」取材から見えたもの

J:COM安心安全チーム、東京担当の田中です!
各地の町内会で取材を続けていて多く耳にするのが「住民の防災意識の低さ」です。
今回ご紹介するのは、そんなお悩み解決のヒントになるかもしれない東京都練馬区の事例です!


「若手ジョイントプロジェクト」って?

石神井消防署若手職員と大泉高校生徒会メンバー

「若手ジョイントプロジェクト」は東京消防庁がすすめている若手職員育成のためのプロジェクト。「若手」というだけあって、署に入って1年未満の職員が都内各地の消防署ごとに様々な企画を行っています。

石神井消防署(練馬区)が若手ジョイントプロジェクトとして昨年スタートさせた企画は、「過去の災害から学ぶ防災」について管内の大泉高校の文化祭で生徒に「広報」をしてもらうというもの。

若手職員が高校生に企画説明 ー その目的は?

(左)石井さん  (右)中井さん

文化祭で設置される防災ブースのメインコーナーで、高校生に「過去の災害から学ぶ防災についての広報」を任せます。
展示内容を決めたり、パネルを制作するのは高校生。
そのために石神井消防署の若手職員がまずやることは展示の案について高校生(生徒会メンバー)との打合せ。

この打合せのときに大事なことが、、、展示内容を決めるのはもちろん、もっと重要なのはいかに生徒会のやる気を引き出すか!
石神井消防署の中井さんと石井さんに話を伺いました。

Q.今回の若手育成プロジェクトについて教えてください。
中井:今回は若手職員5人が参加しています。
石井:自分も過去の災害に関しての知識があまり無かったので高校生に興味を持ってもらえるのか不安でした。

Q.打合せの時に気を付けたことは?
石井:震災が起こった時には自助共助が大切です。
ただそれも、「広報」しないと人には伝わりません。
「広報」することの大切さを分かってもらえるように説明しました。

若手職員の説明を終始前向きに聞いていたという生徒会メンバー。
広報の大切さを学び、展示内容も決定!
あとは、本番まで生徒会が独自に勉強して詳細を詰めていきます。
果たしてどんな展示になるんでしょうか!?

そして迎えた文化祭当日!

生徒会メンバー作成のパネル

生徒会メンバーの「手作りパネル」がお目見え!
展示テーマは関東大震災100年を契機とした「過去から学ぶ対策」。
過去の大災害を教訓に、日ごろの備えの大切さを訴えています。

来場者に説明する生徒会メンバー

さらにメンバーは、この日のために学んだ知識を来場者や在校生に詳しく説明できるまでになっていました。
展示に加え、自分たちの口で、みごと「過去の災害から学ぶ防災についての広報」をやり遂げたのです。

防災ブース 人気の秘訣

防災ブースをもりあげるキュータくん

生徒会メンバーの横では、消防署職員がAED訓練体験や写真展示などを実施。しかし、防災は派手さが無いため大勢の集客が難しそう…と思いきや、ここで大活躍だったのが東京消防庁のマスコット「キュータ」

記念撮影目的で来た来場者を逃さずメインコーナーへと誘導していました。

若者と大人が防災でつながる

令和5年度生徒会長 平嶋桃子さん

生徒会長の平嶋桃子さんに話を伺いました。
Q.防災について調べてみて、心境の変化はあった?
A.防災について調べる機会をもらうことで、過去の災害を知ることが出来て改めて日ごろの備えが大切なのが分かりました。

Q.来場者の反応は?
A.大人の来場者が多くて、私達の説明を聞いて、逆に教えてもらうこともたくさんありました。
新しい知識が増えたのですごくいい機会になりました。

まとめ

生徒会長へのインタビューで気づいたことがありました。
それは…
若者が熱心に何かを伝えようとすると大人は聞く耳を持つ」のでは、
ということ。

冒頭、「住民の防災意識の低さが問題」と書きましたが、、、
今回の事例はその問題を解決できるヒントかもしれません。

高校生の説明を熱心に聞く来場者

防災には興味がない」という大人には、大人が説明してもダメ!
そういう時は熱意ある若者から説明してもらえば防災について興味を持ってくれるきっかけになるかもしれない!
それが積み重なって安心安全な街づくりにつながる!!
そんな素敵な可能性を感じながら取材を終えました。

取材協力:東京消防庁石神井消防署・東京都立大泉高等学校