防災を家族で気軽に話し合おう!
J:COM安心安全チーム、千葉担当の浪越です。
今年(2024年)元日に発生した能登半島地震や、千葉県での群発地震などを受け、皆さんの周りでも防災や減災対策の見直しが行われているのではないでしょうか。
会社や地域の防災以外に、一番身近な「家族の防災」についての見直しは進んでいますか?
いざという時、真っ先に心配になるのはやはり家族ですよね。
ということで今回は「家族の防災」や「家庭での備え」について、家庭で役立つ防災のヒントを発信している団体「流山子育てプロジェクト」を取材しました。
子育てママさんの防災
子育て中の母親で結成されたグループ「流山子育てプロジェクト」は、これまで子育て家庭向けの防災ハンドブック「私にもできる 防災・減災ノートIN流山」の発行や、この防災ノートを活用したワークショップ「防災寺子屋sole!(そ~れ)」を開催し、防災・減災の大切さについて伝え続けています。
「流山子育てプロジェクト」が防災・減災活動を始めたきっかけは東日本大震災だったといいます。
都内で働くパパさんたちが帰宅難民になり、子どもと一緒に不安な夜を過ごしたママさんたち。
「自分が子どもの命を守らなければ」「そのための備えはどうしたらよいか」といったことから活動はスタートしました。
子育てをしている人にとって本当に役立つ防災・減災対策をまとめようと、メンバーで勉強会を開いたり講習会に参加したりと、一から防災・減災を学びました。
そして体験型ワークショップを開催するなどして、子育て世代が災害時にどのような点に不安を感じるかを調査し、前述のハンドブック「私にもできる 防災・減災ノートIN流山」を発行するに至りました。
現在は活動の幅も広がり、SNSやブログからも家庭で役立つ防災のヒントをたくさん発信しています!
子どもから大人まで気軽にできる防災体験!「防災エコナイトウィーク」
東日本大震災から何年か過ぎ、防災意識が少し薄くなってきているのではないか…と感じることがあったことから、防災について考えるきっかけになればと2017年の6月に始まった「防災エコナイト」。
今では夏至と冬至を中心に「防災エコナイトウィーク」として年に2回行っています。
「流山子育てプロジェクト」のメンバーたちがそれぞれの家庭で実施した防災体験を、プロジェクトのSNSやブログで発信しています。
その内容は多岐にわたっていて…
☆備蓄や身の回りの安全の見直し
☆防災クッキング
☆災害時を想定して家の中で過ごしてみる など
特に「自宅」にこだわらず、職場や学校、通勤・通学途中など様々なシチュエーションを想定して、それぞれの家庭が無理せずできる防災体験をしています!
この「防災エコナイトウィーク」のポイントは3つ!
夜に行う防災体験(昼間に行ってもOK)
年に2回実施すること
子どもも大人も気軽にできること
それぞれ見ていきましょう!
ポイント① 夜に行う防災体験
ここ数年、停電することもすっかり減り、停電してしまった際の真っ暗な部屋を体験したことがない子どもがたくさんいるでしょう。
実際に、夜の停電を想定した体験をしてみると、参加メンバーから「小さい子どもほど暗がりは怖い」や「子どもが本当に暗がりを怖がっていることを知ることができた」との声があったといいます。
また、暗がりの中、懐中電灯で影絵などの遊びをすると、暗がりに徐々に慣れていく子どももいるといった発見もあったそうです!
学校や地域でも夜の防災訓練を行うことは、あまり聞いたことがないので、こういったことは新たな発見ですね!
ポイント② 年に2回実施すること
「防災エコナイトウィーク」は夏至と冬至を中心に年2回実施されています。夏と冬、年に2回行う理由としては主に以下のようなものがあげられるそうです。
子どもの成長に合わせた衣類や下着などのサイズが確認できる
使い捨てカイロや冷却シート、夏物・冬物衣料など季節に合わせた備えをすることができる
食料品や防災備蓄品の期限の確認ができる
日中と夜間の日の長さが違うので、季節による防災の心構えを身に付けておく
災害が起きてしまった時のことを家族や周りの人と話し合い、実際に肌で感じる機会を年に1、2回作ることで、防災意識が少しでも高まればとの思いもあるそうです。
定期的な防災の見直しが推奨されている現在、半年に1度の頻度は丁度いい機会なのかもしれません。
ポイント③ 子どもから大人まで気軽にできること
年に2回と言っても「難しいことするんじゃ続かないよ」と思う人も大勢いそうですね。
気軽にできる取り組みということで、具体的には以下のようなことも行われています!
☆防災クッキング
・カセットコンロで食事を作ってみる
→電気やガスがストップしている時の訓練
・お皿にラップしてから食事を盛り付けしてみる
→水が使えない場合の訓練ができる
☆避難所まで家族と一緒に歩いてみる
→避難所までの危険箇所やルートの確認ができる
☆電気を消して寝室から玄関まで歩いてみる
→夜間、停電時の訓練ができる!
※「こちらJ:COM安心安全課」で取り上げています!
動画⇒ 「夜に地震が起こったら?その時子どもは…」
※その他、どんなことが行われているのかは流山子育てプロジェクトの
ブログ、Instagramなどでもチェックできますよ!
また、これらのことをパパさんも含め家族みんなで行うと、いざという時の安心感はもちろん、家族の絆も深まりそうですね!
今すぐできる家族の備え
ここまでの話で、防災の意識が高まってきた皆さん!
「流山子育てプロジェクト」おススメの「今すぐできる家族の備え」をいくつかご紹介!
1.家族間の連絡方法の確認
災害時における家族間の連絡方法や避難場所を決めておきましょう!
災害が起こった際、被災地への電話はつながりにくい場合でも、被災地の外への電話は比較的通じやすいこともあることから、遠くの親せきなどを連絡先として、家族の安否や連絡を取る三角連絡法などがおススメだそうです!
2.日ごろから家族の写真を携帯しよう!
避難所に行った際、言葉だけで家族を探すのは至難の業です。
特に小さい子どもにとって説明は不可能に近いのではないでしょうか?
そんな時でも家族の写真があることで、避難所にいる家族を探すのにとても役立ちます。百聞は一見に如かず、写真を見せるだけで良いんです!
今すぐできそうですね!
3.防災カルタで楽しく学ぼう!
身近な防災についてもっと知りたいという人には「流山子育てプロジェクト」と流山市の小学生が一緒に考えた「防災カルタ」がおススメ!
子どもと楽しく遊びながら防災について学べる内容になっています!
流山市の小学生と考えた「流山子育てプロジェクト」の「防災カルタ」はこちらから
平時にやっていないこと、できないことは非常時にできないからこそ
「流山子育てプロジェクト」のメンバー寺村さんはプロジェクトで行っている防災・減災の取り組みに関して…
「今後は、メンバー以外にも地域の人などを巻き込んで地域に広がっていくと嬉しい。SNS等を活用し発信していき、皆さんの経験も共有してもらい防災知識のアップデートをしていきたい」とコメントしています。
平時にやっていないこと・できないことは、非常時にできない。
いざという時のためにどんなことをしておけばいいか。
年に1回でも2回でも家族で話し合う機会を設けてみましょう!
今できることを“今”備えてみませんか?