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熊本地震の記憶を後世へ伝える

J:COM安心安全チーム、熊本エリア担当の中村です。

昨年10月に熊本市で行われた国内最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい2024 in 熊本」。
以前、こちらの「J:COM地域取材ノート」でもご紹介しましたが、出展団体のひとつ、秋津校区防災連絡会(熊本県熊本市)では、ぼうさいこくたいで発信した内容を後世に残そうという活動を行っています。
具体的な活動内容を取材しましたので、お伝えします!

お話を伺ったのは・・・
秋津校区防災連絡会の髙﨑会長です。

秋津校区防災連絡会 髙﨑 憲一会長

Q.ぼうさいこくたいではどんな展示を?

髙﨑会長:平成28年熊本地震の際、秋津校区は震源地の益城町に近いことから熊本市内最大の被災地となりました。ぼうさいこくたいでは、主に被災当時の写真や復興に関する出来事をパネルにして展示しました。

「ぼうさいこくたい」での展示の様子(画像提供:秋津まちづくりセンター)

Q.ぼうさいこくたいで発信した内容を後世に残す活動を行っているとお聞きしたのですが、どのような活動をされているのですか。

髙﨑会長:ぼうさいこくたい終了後、秋津校区防災連絡会での会合の中で展示したパネルを「防災教育に活用しないともったいない!」という声が上がりました。
そこで秋津小学校を始め、近隣の小中学校(秋津小、桜木小、桜木東小、若葉小、桜木中、東野中)にパネルを縮小したものを寄贈しました。

秋津小学校へパネルを寄贈(画像提供:秋津まちづくりセンター)

Q.小中学校へ寄贈した理由を教えてください。

髙﨑会長:熊本地震から8年が経ち、地震当時を知らない(覚えていない)子どもたちが増えてきています。このような子どもたちにパネルを見てもらうことで、地震などの災害が起こったときの心構えを身に付けてほしいという想いから寄贈に至りました。

Q.子どもたちにお願いしたいことは?

髙﨑会長:パネルを見て、家でも災害について家族と話してほしいです。
保護者の中にも熊本地震当時の記憶が薄れている人がいるかもしれません。子どもと共有することで改めて災害に備えてほしいと思います。
子どもから話を聞くことで保護者の意識も変わることを期待しています!

パネルを展示している秋津小学校の太良木校長にもお話を伺いました!

熊本市立秋津小学校 太良木 香江校長

Q.パネルをお披露目したときの子どもたちの反応はいかがでしたか?

太良木校長:感染症対策のためオンライン集会のときにお披露目したのですが、画面越しでも子どもたちがパネルをしっかり見てくれていたのが印象的でした。現在パネルは、児童の昇降口と事務室前に展示しています。子どもたちは登下校時にいつでも見ることができます。

Q.秋津校区では防災教育に力を入れているとお聞きしました。

太良木校長:はい。秋津小では毎月16日を防災の日と定めて避難訓練などの防災教育を行っています。また年1回「心つながる秋津集会」と名付けた集会を行い、秋津校区防災連絡会をはじめ、地域の人たちが熊本地震について子どもたちに伝承する機会を設けています。

「心つながる秋津集会」の様子(画像提供:秋津小学校)

実は先日、担任が教室にいないことを想定して休み時間に避難訓練を行いました。子どもたちだけで無事、避難することができました。
地域の人たちと連携して防災教育を行っていることが、もしもの場合の行動に活かされていると感じています。

取材時も秋津小学校で防災教育に関する意見交換が行われました。

―髙﨑会長、太良木校長、ありがとうございました!

今回の取材を通して、災害を経験していない子どもたちでも伝承をはじめとする防災教育によって防災への意識が高まることが分かりました。熊本地震への記憶が薄れているという方も、子どもへの伝承を通じて防災への意識が高まるかもしれません。
私も熊本地震の被災者。その記憶を息子に伝えたいと思います。


取材協力:秋津小学校、秋津校区防災連絡会、秋津まちづくりセンター