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救護班要員を増やせ!日本赤十字社救護員の訓練研修

J:COM安心安全チーム、埼玉担当の山本です。

今回私が取材したのは、日本赤十字社埼玉県支部が中心となり行った赤十字救護班要員研修の様子です。
この訓練は令和6年能登半島地震から半年が過ぎ、新たに任命された救護員の集中訓練を行うものです。


真っ先に活動を行うのが赤十字救護員

以前に下記の記事でも書きましたが、自然災害が起きた際に真っ先にかけつけるのが赤十字救護員の方々。

訓練は3日間の泊りがけで埼玉県皆野町にて行われました。
近年、頻発する自然災害の激甚化、広域化が懸念される中、災害対応力を強化するのが狙いとの事。

今回の訓練には埼玉県内3つの赤十字病院の医師・看護師・コメディカル(医師と協同で医療業務を行う人たち)など約80人が参加しました。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

経験豊富な指導者のもとで実践訓練

私が以前取材をした小川赤十字病院の吉田医師を始め、被災地での活動経験豊富な指導者たちが、この3日間で新たな救護員の方たちに現場での対応を教えていきます。

新たな救護員に説明する吉田医師(前列にて赤いキャップで左手をあげている方)
提供:日本赤十字社埼玉県支部

1日目~2日目の内容

1日目は、救護テントの設営やベッド・点滴台の設置などする救護所設営やネットワーク化を図る「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」の講義・実習。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

2日目は、患者の容態を迅速に判断する「トリアージSTART法・PAD法」、業務用無線や衛星携帯電話を実際に設置するなど、多岐にわたる訓練を行い習得していきました。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

最終日にはより実践的な訓練を!

最終日の3日目に行われたのは、研修の集大成となる「総合演習」。
救護所内の活動シミュレーションです。
テーマは「200名程度の負傷者が出ている大規模列車事故」。
初動班として現場に向かうことを想定して行われます。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

的確な指示と対応

列車事故が発生し、次々と救護テントに運ばれる傷病者の容態を評価する「トリアージ」のほか、必要な手当てを行い「病院に搬送するにはどの負傷者からか」など優先順位を決めるまでの一連の流れのシミュレーションを、前日までの2日間の講義や実習の経験を活かし手際よく対応していきます。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

今回の研修から分かった事とは

今回、参加した救護員の方にお話を聞いたところ、
「災害時に自身に求められる役割について、基礎的な部分から実働演習まで順序立てて学べたことが大きな収穫」
「異なる職種の職員はどんなことを意識して動いているのか、どのような動きをするのか勉強できた」
「こうした研修に参加できたことで今度は自分が現場に行き直接被災者と向き合う役割だと決意を新たにしました」
…など、いかにこの研修がその本人にとっても大事な事なのかが伝わってきました。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

備えはやっぱり大事なんです!

もっとも大事なのは「振り返り」との事で、それぞれの立場で気になったこと、課題に感じたことを全員で共有し、経験豊富なスタッフからフィードバックを行うそうです。

今回の研修で日本赤十字社埼玉県支部では、過去の災害救護活動の経験から大小問わず「災害は常に想像を超える」という事を参加者に伝えたとのこと。

いつ・どこで・どんな災害が起きても、迅速・的確に活動できるように今後も備えていくとの事。
どんなプロフェッショナルの方々でも常に訓練し災害に備えることで、いざという時でも平常心で活動する(できるようになる)。これは本当に脱帽します。
私も、いざという時のために最低限のことは常に備えておくことが大事なのだと再認識させられました。

提供:日本赤十字社埼玉県支部

取材協力:日本赤十字社埼玉県支部